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VOL.37 AUGUST 2006

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平成17年度通信制大学院修了者からのメッセージ2

「行学一如」の精神を学ぶ

社会福祉学専攻 T.A.

 私は,通信制大学院での学びを通し,学問の厳しさと素晴らしさを実際に体験できたことを本当に嬉しく思っています。学業および仕事,家庭生活の三足の草鞋を履くことは非常に困難な道程でありました。しかし,大学院で研究しようと思い至った当初の目的意識を見失わず,諦めずに一つひとつ努力を積み重ねた結果,困難に思われた道程も自ずと道が開けていったように感じています。
 さて,私は「地域福祉における市町村社会福祉協議会のあり方に関する一考察:南部三町社会福祉協議会合併協議の現場から」と題し,基礎自治体である市町村が広域再編される中にあって,同じく合併を模索している市町村社協の役割を研究しました。研究上留意したことは,(1)なぜ南部三町(秋田県山本郡の南部に位置する琴丘町,山本町,八竜町の三町をいう。平成18年3月20日に合併して三種町となる)を取り上げる必然性があるのか,(2)一般論を確実に踏まえた上で南部三町の具体論に入っていくこと,(3)安易にアンケート調査に頼らず,公表されている既存の調査資料を十分活用すること,(4)社協職員である自分が社協合併について研究するのであるから,常に客観性を意識すること,などでありました。また,テーマの絞り込みは早ければ早いほど良いと思います。是非,指導教授と早期に面接する機会を持つことをお勧めします。
 私は,大学で卒論を選択しなかったため,今回はじめて論文を書きました。はじめての論文が修士論文であることのプレッシャーもあり,勝手が分からず戸惑いもありました。しかし,はじめに述べた通り,当初の目的意識さえ見失わず,周囲の理解と協力が得られれば必ず達成できるものと思います。地方に暮らす私が大学院教育を受けることなど数年前までは考えられませんでした。一度社会に出て働いている人間が大学院で学ぶことも然りです。通信制大学院には,地域性による大学院教育の機会不均等の是正および仕事を持つ人間が職場を辞めることなく最先端の理論を学べる魅力があります。また,福祉の現場に身を置きつつ大学院で学ぶことは,“実践を理論化できる”あるいは“理論を実践化できる”という醍醐味があります。理論と実践の止揚は,建学の精神である「行学一如」そのものです。換言するなら,通信制大学院だからこそ「行学一如」の精神をよく理解できるということです。是非,皆さんも修士論文と併せて「行学一如」の精神を学んでください。

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