【学習サポート】
[数の世界]「数の世界」は難しい!?
講師
大内 真弓
●「数の世界」=「算数?数学」のイメージにまだとらわれていませんか?
4月生のレポートが届くようになって半年余り,夏に向けては増加傾向もあったのに,最近だいぶ少なくなってしまいました。もしかすると,いまだに算数や数学のイメージが邪魔をして,まったく手を付けていない方もいるのではないでしょうか? マイナスの先入観が強いと感じている方ほど,最初は学習指導書を中心に,それから教科書,さらに余裕があれば参考図書へと,段階的に進めていくのが無理のない方法だと思います。まずはどんなことが書いてあるのかざっと目を通すつもりで,次いでわからなかった部分を何回か読み直してみると良いでしょう。とにかくトライしてみましょう。
どこから始めたら良いのかもわからないという状態の方へ……まず,学習指導書の1,2章だけに目を通し,レポート課題の1単位めにチャレンジしてみましょう。本来は全容をつかんでからの方が書きやすいと思うのですが,きっと初めの一歩が踏み出せるはずです。
●身のまわりで既に触れている「数の世界」をさらに広げましょう
1単位めの1は,当たり前に使用している0(ゼロ)についてですが,様々な役割があることをまとめあげてみると,存在価値を再認識でき,なぜ「数」が存在すると便利に感じるのかが見えてくると思います。当たり前に感じているメリットを再確認すると,その裏に潜むデメリットが見えてきます。また,デメリットしかないと思っていたものにも,必ず反対の立場からの見え方があるはずです。そもそも「表裏一体」と思って臨めば,見え難いものが見えてくるはずです。
2単位めについては,新聞やテレビに数多くのヒントがあります。自分の身のまわりのこと(1年間に取得したい単位数や,読まなければならないテキストのページ数と,実際に当てることのできる時間との関係等)でも良いのです。平均で考えると大したことがないものも,合計で考えると違って見える場合があります。どう感じるかは個人によっても異なるので,そこをわかりやすく表現して下さい。
3単位めにはかなり取り掛かり難いでしょうが,教科書の理解は虫食いでも,学習指導書の5章で補足をしておりますので,こちらを中心にしてもある程度の理解は進むはずです。そしてテーマは,1では身のまわりの速い乗り物(新幹線,在来線,地下鉄,車,自転車など)を,2では高い所(5?6mでも体感できるようです)から落ちる物を選んでみましょう。1では簡単に求まることがわかり,2では予想以上の速度になることがわかれば十分です。
●レポートをスムーズに書き進めるには?
レポートはできるだけ体裁の良いものにと思うでしょう。それは当然の心理だと思いますし,基本的な姿勢はそうあるべきだと思います。しかし,必要以上に気合いが入りすぎて,ペンが滑らかに進まなくなってしまってはいませんか?
レポートを書く際は,専門用語を用いたり専門領域における解説を伴うのが一般的かもしれません。しかし「数の世界」では,そもそも身のまわりのことを取り上げているので,専門用語や専門的な解説ということにこだわる必要はありません。日常的に考えていることを理論と関係させて考えた後に,あなたはどう解釈したかを文字で表現することを要求しています。
例えば4単位めに関連しては,何番目に引いても「当たる確率は平等である」という原則がありますが,実際にはどう感じているか,日常生活ではどのように扱われているか等を書いて下さい。ただ注意すべき点は,原理原則は不変であるということです。平等には感じないと思ってしまっても,そのギャップを感じる理由について論じるなら良いのですが,「やっぱり不平等である」と結論付けてしまっては,本当に理解したことにはなりません。
●文字だけが書き手の表情であり印象の全てです
思いついたものをササッと書いて……と気持ちがはやるのはわかるのですが,ここからの「ひと手間」でブラッシュアップです。
まず第一印象を大きく左右するのは,「字の丁寧さ」であると思います。「字の上手さ」を要求しているのではありません。例えば,(1)枠にちょうど良い大きさの字で書くこと,(2)フラフラとした筆跡にならぬよう,しっかりと強めの筆圧で書くこと,この2点に注意するだけでも,かなり「丁寧に」見えるものです。
次に文章を書き進めていく時に,わかりやすい展開にすることです。せっかく着眼点は良いのに,まわりくどい表現になっていたり,果ては本来述べたいであろうことから遠ざかってしまうレポートがありました。これは書き始める前に,書きたいポイントを箇条書きにし,それらを組み立てることで,容易に実現可能であると思います。
また誤字?脱字については,添削をしていると思いのほか気になります。辞書を引くことで意味を再確認したり(言葉の使い方にも注意が必要です),同音異義語に目を配っていると思いがけない発見もあるので,ぜひお薦めします。これはまさに「棚から牡丹餅」ですが,そんな幸運も準備のあるところに訪れるのではないかと,日々自戒の念を込めて思っています。
最後に,文字の分量にも気を付けましょう。アドバイスとして「字数配分には制限を設けない」と記載しましたが,全体の分量としては8割以上を目標にしてみて下さい。字数が少なくても,内容を満たしていれば合格です。しかし今までのところ,字数と内容とはおよそ相関があり,字数が少ないレポートは,内容的にもより掘り下げて欲しいものでしたので,字数も参考にして書き進めることをお薦めします。
4月,もしくは10月から始められたばかりで,なにかと不安や行き詰まることが多いことと思います。でもまだまだ先は長く,チャンスはいくらでもあります。私自身も添削する側の1年生です。この表現で意図が伝わるか,もっとわかりやすい表現はないかと,(これでも)毎回吟味し創意工夫を凝らしております。ですから質問や疑問が生じたらどんどん寄せていただき,よりクリアにして臨んで欲しいと思っております。彼方からレポートが1つでも多く届くことを,毎日楽しみに待っております。「継続は力なり」お互いに頑張りましょう!!