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VOL.62 SEPTEMBER 2009

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教員MESSAGE [心理学実験?研究法]
心理学実験II,研究法IIを終えて:改めて心理学の研究とは

講師 中村  修

 今夏のスクーリングを受講した皆さん,ほんとうにお疲れ様でした。スクーリングが終わってほっとしている頃かもしれませんが,このタイミングだからこそお願いしたいことがあります。それは,改めて「心理学の研究の進め方」というものを振り返っていただきたいのです。具体的には,『福祉心理学科スタディ?ガイド』の「II章 心理学実験への招待」と「III章 心理学研究に取り組む」という2つの章を読んでいただきたいのです。実験?研究法ともスクーリングではどうしても「その日のうちにこなさないといけない課題」があり「手順にのっとって進めること」を重視しがちになってしまいます。その場合「こうしなければいけないと言われたからそうした」ということは確かでも,「なぜそうしなければいけなかったのか」ということはぼんやりとしたまま終わってしまっているのでは,ということが気がかりなのです。なので,改めて「独立変数,従属変数」「仮説」などという用語の意味,「問題?目的,方法,結果,考察」という研究の進め方?まとめ方について,皆さんが実験や研究法のスクーリングで体験したことと『福祉心理学科スタディ?ガイド』での説明を照らし合わせてみていただきたいと思うのです。

 まずはこのお願いをして,ここからはスクーリング時には詳しく触れられなかった事柄についてまとめていこうと思います。先にも述べたように心理学の研究は一般に「問題?目的→方法→結果→考察」という流れで進められます。実験IIIも同様)と研究法IIではこの流れの一部を切り取って皆さんに実習していただいているわけです。特に実験に絞って話を進めますが,スクーリングでの中心は「方法→結果」の流れといえます。我々教員が用意した方法にのっとってデータ収集を行い,決められた手順にのっとって結果を整理する,というのが各メニューの共通事項だったと思います。

 本稿で焦点をあてたいのはこの流れの前段階,「目的→方法」の流れです。ここで奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】となるのが「仮説」と「作業仮説」です。研究はまず何かの現象に対して「なぜだろう?」という疑問をもつことが始まりですが,なぜと言い続けるだけでは先に進まないので「『なぜ』の答えとなるものはこの要因か?」というところまで絞り込んで「仮の答え」として設定したものが仮説となります。そして,作業仮説とは,抽象的な(汎状況的な)言説で表される仮説がある特定の場面でなりたつとしたら,どのような形で現実場面に現れるのかを表現したものと言えるでしょう。

 「目的→方法」の流れとは,「目的」で示した抽象的な仮説を「方法」でどのような具体的な場面に落とし込むのか,と言い換えることができます。この落とし込みの過程において,方法と作業仮説は不可分の関係となります。作業仮説の決め方によって方法が規定されるといってもいいでしょうし,方法の選び方によって作業仮説が規定されるといってもいいでしょう。

 話が抽象的になっているので,私の実験IIの担当メニュー「概念学習」(別称:フクッシーを探せ!)の一部を例にとります。このメニューでは「概念学習の難しさに影響する要因の検討」を行いました。要因(独立変数)として「概念を形成する属性数」(実験では単一条件とAND条件を設定)を取り上げ,

仮説:条件数の多いAND条件のほうが単一条件よりも難しいだろう。

としました。従属変数となる「難しさ」は「正解にたどり着くまでの試行回数」で表すこととし,3度の試行の平均試行回数を難しさの指標としました(1度だけでは正解をまぐれ当たりすることも考えられるので複数回を行ってもらったわけです)。この難しさの指標を用いると,

作業仮説:AND条件のほうが単一条件よりも平均試行回数が多いだろう。

となります。しつこいようですが,「この実験を立案した私」が「難しい=試行回数が多い」と決めたからこのような作業仮説になったのです。それでは,難しさの指標を試行回数ではなく別のものにしたらどうなるでしょうか?例えば「試行回数」ではなく「1試行にかかった時間」で現すことにしてみましょう(一概に時間がかかれば難しいといえるかどうかは微妙ですが)。とりあえず「難しかった=時間が長くかかった」と決めてしまいましょう。しかも,時間を一定の幅で区切って1試行に対して「10分未満」と「10分以上」に分けてしまいましょう。このようにすると,

作業仮説:AND条件のほうが単一条件よりも3試行のうち「10分以上」の回数が多いだろう。

となるのです。同じ仮説でも「難しさの指標」を何にするかによって作業仮説は違ってくることがおわかりいただけるでしょうか。

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