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VOL.73 JANUARY 2011

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学生 MESSAGE [精神保健福祉援助実習]
通信教育で学べた喜び

通信教育部社会福祉学科 藤井 睦

1.はじめに

 私は以前,スクールカウンセラーとして小中学校に勤務していました。出産を機に退職し,今までの経験に加えて「ソーシャルワークの視点」を身につけたいと思い,本学に編入しました。
 まず2年で卒業するという目標を掲げたので,それに向けた学習計画を立てました。スクーリングで出会った仲間と共通していた悩みは「勉強する時間と気力をどうひねり出すか」と「再提出になった時のショックからどう立ち直るか」でした。振り返ると,この2つは卒業前まで私自身の課題であったように思います。

2.実習にて

 実習を行った精神科病院は,アディクションやアルコール関連問題に特化しており,体験学習を経て実習を受け入れていただきました。病院内での精神保健福祉士の業務は一言では表せません。デイケアではグループ運営や必要に応じた個別相談,外来ではインテークと家族相談,病棟では入院者や家族に対する相談や退院促進のための様々な取り組み…。
 私は特に個別相談とグループワークに興味があったので,実習担当者に具体的にどのようなプログラムを重点的に学びたいのかを明確に伝えました。実習担当者が,私の希望を取り入れながら実習スケジュールを作成してくださったので,初日からスムーズに実習をスタートさせることができました。
 実習中は,目の前で起こる出来事を吸収し,自らの学びを深めていくことに全力を集中しました。見たこと,聞いたこと,感じたことを全てメモ帳に書き出し,わからないことがあれば,実習担当者に聞きました。空いた時間には実習記録をまとめ,他機関との連携に必要な資料を読み,学びを深めました。
 インテークやデイケアプログラム,入院者を対象とした認知行動療法,作業療法等に参加する中で,必ず担当スタッフと振り返りの時間を持てたことは,私にとって貴重な経験になりました。その時の私の感想や気づきをスタッフの方々にいつも丁寧に扱っていただき,安心感の中で試行錯誤することができました。
 実習後半になると,継続的に関わるプログラムが多くなり,担当するスタッフともある程度コミュニケーションがとれるようになったので,疑問や気づきは直接担当している看護師や作業療法士,臨床心理士,そして患者本人に伝えました。特にデイケア参加者や長期入院者との会話の中で,日常抱える「生活のしづらさ」のお話を伺えたことは,今でも印象深く残っています。

3.実習を終えて

 実習を終わって,まず「体調を崩さなくてよかった」と思いました。実習前に担当指導教員から体調管理のことを繰り返し言われましたが,そのことがいかに大切か理解したのは,実習が終わってからです。
 実習中は,朝5時に起きて実習準備と1歳の娘の世話をしました。実習が終われば保育所に子どもを迎えにいって,それからは家族との時間を大切にしました。休日には国家試験対策講座で過去問を解き,1週間分のおかずを作り貯めました。私にとって本当に不安だったのは,もしかしたら「実習と生活の両立」だったかもしれません。

4.おわりに

 社会に出てさらに勉強を続けるためには,家族や職場といった周囲の理解と協力が何より大切です。通信教育部での学習は孤独な作業が多いですが,特に実習中は皆に「支えられている」実感があったからこそ乗り切れたと思います。おかげで編入から2年で予定通り卒業を迎えられることになりました。
 3度目の「再提出」に呆然としたこと,娘に授乳しながらテキストを読んだこと,仲間と学食で語り合ったこと,緊張しながら体験学習お願いの電話をしたこと,レポート締切当日ぎりぎりに事務局に駆け込んだこと,挙げればきりがありませんが,全てが自分の経験になり,乗り越えられたことは大きな自信へとつながりました。
 私たちには平等に1日24時間与えられています。通信教育部での学びは必ず皆さんの人生を豊かにするものですので,躊躇しているレポートの山を少しずつこなしていけるよう,試験勉強が実を結びますよう,応援しています。
 最後に,実習先の職員の方,通信教育部の教員や職員の方々,同じ時間を過ごした仲間に心から感謝します。ありがとうございました。

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