仏教専修科
活動記録:奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】三年度東日本大震災追悼式
活動概要
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学長法話
ここに、東日本大震災追悼法要の開催にあたり、ご挨拶申し上げます。
平成23年3月11日金曜日、午後2時45分、マグニチュード9.0、最大震度7を観測する東日本大震災が発生しました。以来、今日で11年目を迎えることと相成りました。家屋の倒壊とともに、巨大津波の襲来、さらには福島第一原発事故という未曽有の複合大災害により、関連するお亡くなりの方を含めますと、全国で22209名という尊い御命が奪われ、この3月11日現在でも2523名ものお方の行方がわかっておりません。そして、今もなお、関係者ならびにボランティアの皆様によって懸命な捜索活動が続いております。私たち奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】では、当時の学部生4名、通信教育部3名、東北福祉看護学校生2名、合わせて9名の尊い御命が奪われました。もしこうした皆様がご存命ならば、30歳前後の若きみそらに、この社会の広い各方面でご活躍されていらっしゃったのではないかと思わず想像いたします。哀惜の情ますます深く、涕涙禁じ得ない次第であります。爾来、私たちは人類の福祉という崇高な理念を掲げて、被災者すべての心の復興、人間としての心の復興を深く胸に刻み、被災地の地元の大学として、地域の共生に邁進してまいりました。日本政府主催となった追悼式は昨年、十年目で最後となった模様です。したがって今年は行われておらないようでありますが、私たち、本学にとっては、これからも永く、この大切な追悼の儀式を行って参る所存であります。そして、11年目を迎える今、改めて私たちは心から願うものがあります。それは、復興には終わりがないということであります。一瞬のうちに家族を、友人を、家を、故郷を、そして日々の幸せを奪った、その奪われた喪失感をとりもどそうと努めることは、私たちにとっても決して容易な営みではありません。奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】はこれからも、被災された方々と被災された地域によりそい続けることをお誓い申し上げます。さらには、新コロナウィルス感染症のパンデミックもいまだ終息せず、そしてロシアにいたっては理不尽で非道極まりないウクライナ侵略などが現実に今起こっている現在、このような今の時代だからこそ、生命の愛おしさを思いやる共感力こそがとても大切になってくることを、今日この日、決意を新たにしておきたいと、念じる次第です。
仏陀の教えにあります。「すべての生きとし生けるものにとって、命は愛おしい。己が身に引き比べて命を大切にせよ」とは、ダンマパダにも見える釈尊のメッセージでもあります。己が身に引き比べ、他の人々の命に思いをよせること、この深淵にして普遍的な問いかけを、現代を生きる私たちがしっかりと今受け止める時、己はこれから何を果たしていくべきなのかという課題に、ひとつの答えが導き出されることでありましょう。とはいえ、私たちにとっても、人生、命には限りがあります。人の命ははかなくもあり、与えられた時間も有限です。光陰は矢のごとく無常は迅速にして、歳月は人を待ってはくれません。それ故、こうした本日のような、人間の心の絆を互いに確かめ合う機会がより大切になってくるものだと確信しております。何となれば、釈尊の教えとその言葉に触れ、そして仏の教えの導きを信じることによって、有限ではかない人間の命という時間を無限なる時間へと、すなわち仏の寿命へという無辺の広がりへつなげ、転換せしめることができると信じるからです。輪廻をめぐる三世の時間と、人間の世を現成せしめるこの原動力は、人を思いやる共感力に他ならないと、改めて感じます。大地には春の息吹を感じ、大海原には繰り返し躍動する生命の力を覚えるのも、この季節であります。ふとそのような大自然の光景にも目をとめる時、私は仏典に残されている釈尊の言葉に、「力強く生きなさい」とあたかも語りかけてくるような思いを、私ははっきりと覚えるのです。あらゆる生き物にたいして暴力を加えず、あらゆる生き物に対していずれも悩ますことなく、犀の角のようにただひとり歩め。寒さと暑さと飢えと渇きと、風と太陽の熱と、虻と、蛇と、これらすべてのものに打ち克って、犀の角のようにただひとり歩め。こうした仏教の教えを深く受け止めるとき、失われた尊い御命に対して、残された私たちの報いることのできる生き方とは何か、それをみなさんに見つけていただきたいのであります。決して忘れてはならないあの時、あの日、私たちはすべての世界に目を向け、生命の尊厳を生かす道とは何かを問い続けながら、建学の精神である行学一如、そして建学の理念である自利利他円満の旗印の下、今後とも、心の復興のために歩み続けることを、改めてお誓いいたします。そして、この震災の経験を後世に、さらには世界に発信し続けていくことは、お命を失われた皆様に応える本学の使命であると、ここに改めて胸に刻みます。本日の行事にあたり、心からの哀悼の意をささげまして、以上、学長法話とさせていただきます。