2024/09/18 福祉心理学科
【報告】第142回コロキアムが開催されました
2024年9月18日(水)に、第142回心理学コロキアムが開始されました。心理学コロキアムは、福祉心理学科の教員と学生の相互研鑽を目的として開催されており、長い歴史があります。今回は、福祉心理学科の内藤裕子教授に「PCAGIP法は人を元気にすることができるのか?」というテーマでお話いただきました。以下に、発表の概要を紹介します。
内藤裕子 教授 「PCAGIP法は人を元気にすることができるのか?」
PCAGIP(Person Centered Approach Group Incident Process) 法は 、 Rogers,C.R. の人間観を援用したグループ体験とインシデント?プロセスの方法を組み合わせた事例検討法です。この方法は事例提供者を情緒的に支える方法として開発された経緯があるので「元気が出る事例検討法」といわれています。はたして、PCAGIP法は人を元気にするのでしょうか?
被災地に勤務する卒業生の養護教諭に声をかけて行ったPCAGIP法では実施前より実施後のエンパワーメント得点が有意に高くなりました。また、事例提供者は「支えられているという感覚と自己肯定感が得られた」と報告し、他の参加者も「悩んだときは1人ではないと心強く感じた」と感想を述べています。PICAGIP法にはやはり人を元気にするような魅力があるようです。また、この方法では、一問一答によりセッションを進める中心メンバーを「金魚」といい、「金魚」を取り囲むその他の人々を「金魚鉢」といいます。俯瞰的に参加している「金魚鉢」に効果はあるのでしょうか?— 大学の授業において実施?調査したことをもとに作成した評価尺度を用いて「金魚」と「金魚鉢」を比べたところ、両者の評価に有意な差はありませんでした。また、自由記述の計量テキスト分析より、「金魚鉢」は俯瞰する立場を活かしてじっくり学んだり、温かい雰囲気作りに貢献する役割を感じたりしながら参加していることがわかりました。
内藤教授は、PCAGIP法を10年間継続してきた中で感じた疑問について検証することができ、これからもファシリテーターとしても向上に努め、PCAGIP法を活用していきたいと思いを述べられました。
当日は教員14名、学生1名が参加し、発表後の質疑応答ではファシリテーターの役割についてどのような視点を大切にしているか、オンライン環境での本法適用に関して事例提供者が護られる体験を得るために必要な視点は何か、など熱心な議論が交わされました。
被災地に勤務する卒業生の養護教諭に声をかけて行ったPCAGIP法では実施前より実施後のエンパワーメント得点が有意に高くなりました。また、事例提供者は「支えられているという感覚と自己肯定感が得られた」と報告し、他の参加者も「悩んだときは1人ではないと心強く感じた」と感想を述べています。PICAGIP法にはやはり人を元気にするような魅力があるようです。また、この方法では、一問一答によりセッションを進める中心メンバーを「金魚」といい、「金魚」を取り囲むその他の人々を「金魚鉢」といいます。俯瞰的に参加している「金魚鉢」に効果はあるのでしょうか?— 大学の授業において実施?調査したことをもとに作成した評価尺度を用いて「金魚」と「金魚鉢」を比べたところ、両者の評価に有意な差はありませんでした。また、自由記述の計量テキスト分析より、「金魚鉢」は俯瞰する立場を活かしてじっくり学んだり、温かい雰囲気作りに貢献する役割を感じたりしながら参加していることがわかりました。
内藤教授は、PCAGIP法を10年間継続してきた中で感じた疑問について検証することができ、これからもファシリテーターとしても向上に努め、PCAGIP法を活用していきたいと思いを述べられました。
当日は教員14名、学生1名が参加し、発表後の質疑応答ではファシリテーターの役割についてどのような視点を大切にしているか、オンライン環境での本法適用に関して事例提供者が護られる体験を得るために必要な視点は何か、など熱心な議論が交わされました。