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2022/03/15 福祉心理学科 研究

【報告】第137回心理学コロキアムが開催されました

3月3日に、第137回心理学コロキアムが開催されました。昨年度、福祉心理学科に助教として着任された中川裕美先生と、本年度、准教授として着任された重宗弥生先生の両先生に研究についてお話しいただきました。

コロキアムはオンラインで実施され、本学副学長の大島巌先生はじめ24名を超える教員や大学院生、学部生が参加しました。以下に、先生方のご発表の概要を紹介します。


中川 裕美 先生(福祉心理学科 助教) 「野球ファンに悪い人はいない?– 集団に協力する心理メカニズムの検討 – 」

「野球ファンに悪い人はいない」とよく耳にしますが、実際のところどうなのでしょうか。2012年から2018年までの7年間の調査を通じて、同じ野球チームを応援するファン同士であれば、互いに協力し合うことが明らかにされました。さらに、熱狂的なファンであるほど見返りを期待せず、一方的に協力する傾向も見られました。野球ファンの情熱は、なぜこのような集団協力を引き起こすのか、「社会的アイデンティティ」と「互恵性の期待」に着目して、その解明を試みた研究について報告していただきました。

重宗 弥生 先生(福祉心理学科 准教授) 「パーキンソン病患者における動機付けとドーパミンの関係」

パーキンソン病患者では、報酬系ドーパミン神経回路の衰退により、報酬や損失の予測や判断が変化していることが報告されています。また近年、ドーパミン神経回路は、外的な報酬による動機付けだけでなく、好奇心や向上心などの内発的な動機付けにも関与することも明らかになってきています。今回は、パーキンソン病患者の内発的な動機付けと可能性への損失回避について、ドーパミントランスポーター分布を用いて検討した2つの研究について報告していただきました。
両先生の発表後は、副学長大島巌先生からメッセージをいただいた他、研究の方法や内容について活発な質疑が交わされ、コロキアムは盛況のなか終了しました。

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