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2024/02/27 教育学科

教員インタビュー 黄 淵煕 教授(初等教育専攻?特別支援教育)

今回の「教員インタビュー」は、韓国出身で、発達障害が専門の黄淵煕(ファン?ヨンヒ)教授へのインタビューです。

黄教授はどんな高校?大学生活を過ごしましたか?

私は韓国で生まれ育ち、大学まで韓国で過ごしました。日本でも韓国の受験戦争は有名ですが、私が通っていた高校では、お弁当を2つもって行って、朝7時から夜10時まで勉強するという生活が当たり前でした。自分の適性よりも成績で大学?学科を選ぶ人が多かったなか、私は尊敬していた先生が教育学科出身であることを知り、なんとなく教育学科を目指すようになりました。

発達障害の研究の道に進んだきっかけはどのようなことでしたか?

大学時代、家庭教師のアルバイトをしていました。学習教材のなかに、田舎でひとり暮らしをしているおばあさんの物語があり、寂しさについて共感する文章がありました。私が教えていた小学生には、その気持ちがどうしても伝わらず、私は、その小学生の性格がわがままなために理解ができないのだと勝手に解釈していました。その後、大分時間が経って、その子どもが自閉スペクトラム症の診断を受けたことを知り、自分がその子の特性を理解していなかったことを申し訳ないと思うと同時に、どういう障がいなのかに関心を持つようになりました。

日本の大学院への留学を選んだ理由は何でしたか?

韓国の大学を卒業した後、私は商社に3年間勤めました。しかし、どうしても発達障害についてもっと知りたい、そして、そのような子どもたちのために少しでも役に立ちたいと考えるようになりました。欧米の国へ留学することも考えましたが、日本語に興味があり、大学時代から勉強していたこと、そして日本と韓国の教育システムが似ているという2つの点から、日本の大学院への留学を決めました。

現在の研究分野と研究内容について簡単に紹介してください。

発達障害のある子どもたちの学習支援に興味を持っております。「先生の教え方で学べない子どもは、その子どもの学び方で教えろ」ということばがあります。集団の中ではなかなか力を発揮できない子どもも、その子の認知特性に合わせて指導を工夫することで驚くほど学習能力が向上することがあります。特に、通常の学級のなかにいる様々な特性やニーズのある子どもを含め、クラス全員が学びやすい授業を目指すユニバーサルデザイン的な授業について研究を進めています。

高校生、大学生のみなさんへメッセージをお願いします。

現代社会では人々は多忙であることを理由に、時間対効果を求め、何かに時間をかけてじっくりと取り組む機会が減っているように感じます。一昔前までは、余暇時間に本を読んだり、2時間程度の映画を鑑賞したりする人が多かったように思いますが、最近の人々は、10~15分程度の短い動画や、さらに短い1分以内のショート動画を好んで見ているようです。しかし、若い時に、何かに時間をたっぷりかけてその過程や成果物を楽しむことは、とても意味のあることだと思います。ぜひ今のうちに自分が好きなことを見つけ、じっくりと時間をかけて取り組むことの楽しさを味わってほしいと思います。

この記事に関するお問い合わせ

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