2023/10/19 教育学科
教員インタビュー 冨樫進准教授(中等教育専攻?社会科コース担当)
今回は、教育学科中等教育専攻?社会科コース担当の冨樫進准教授へのインタビューです。
————主な担当科目についてご紹介ください。
私が担当している科目は、日本の歴史に関するもの(日本思想史?日本文化史)と倫理思想に関するもの(倫理学概論)の二つに大きく分けられます。
日本思想史は『古事記』『万葉集』『風土記』『大鏡』『今昔物語集』などの古典文学作品を題材として、当時の人々の価値観や世界観について考えていくことを目的にしています。また、日本文化史は古代から中世?近世にかけての宗教(神道?仏教?儒学)や政治?芸術といった事象を題材として、国内外で起きた出来事なども視野に入れ、各時代に生きた人々がそれぞれどのような理想を追究していたのかということを明らかにすることを目的にしています。
倫理学概論は前期(夏休み前)に義務論?功利主義?徳倫理学、リベラリズム?リバタリアニズムといった基本的な理論について取り上げ、後期(夏休み明け)からは生命?福祉?自然環境?科学技術といった私たちにとって身近な問題を取り上げ、前期に学んだ様々な理論をふまえつつ、皆が幸福に生きることのできる社会を実現するために、私たちはどのような指針や目標をもって生活していけばいいのかという点について考えていくことを目的にしています。
—————中等教育専攻?社会科コースの学生たちには、大学でどのような力を身に付けてほしいと考えていますか?
教員には教科書の知識だけではなく、学ぶこと?考えることの楽しさを自らの姿勢を通じて生徒に伝えていくことが求められます。そこで、皆さんには大学で何か一つ、このことだったら他の人に負けない!という〈専門家〉としての力を身に付けてほしいと思います。
たとえ中学校や高校での指導内容とは直接関係のない事柄であっても、何か一つのことについて積極的に時間をかけて「学んだ?調べた?考えた」という成果が教員になった時の授業に、そして皆さんの人生に、きっと豊かさや厚みをもたらしてくれるはずです。
——————高校教員の経験もあるとのことですが、教育現場ではどのようなことを学びましたか?
大学院修了後に国語科の非常勤講師として高校に赴任し、現代文と小論文を担当しました。生徒たちとのやり取りを通じ「生徒と接する時は、まず教員(大人)としての先入観を横に置き、一人ひとりの生徒を肯定しつつ十分なコミュニケーションをとること」「一定の信頼感を獲得した上で、一人ひとりの生徒にそれぞれ相応しい指導方針を考えること」「段階的な目標をそれぞれのペースで生徒たちに少しずつ達成させていき、達成感を生徒と共有すること」の大切さと面白さとを学びました。高校に勤務したのはわずか一年間でしたが、この時の経験は今でも私にとってかけがえのないものとなっています。
—————中学生や高校生の皆さんにとって、社会科の学習は将来どのように役に立つと考えていますか。
—————最後に、将来、中学?高校の教員を目指している皆さんへ、メッセージをお願いします。
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