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2018/10/05 保育士?幼稚園課程

教育実習(幼?小)の事前事後指導

10月5日の4年生教育実習(幼?小)の事前事後指導では、学生で立ち上げたプロジェクトの一つである『子どもの発達勉強したいプロジェクト』による発達特別講座が行われました。

今回の授業では、「心の理論」から始まり、「いざこざ」「道徳性と思いやり」「模倣」「自我」「愛着」「探索活動」「言葉」、最後に「遊びの流れ」という順序で行われました。

「心の理論」自分や他者の心についての推測をするための推論システムのことです。おおむね生後9か月から心の理論は始まります。

「いざこざ」人間関係上の小さな争い事やもめごとのことをいいます。言葉が十分に発達してない3歳未満児は、相手をたたいたり、噛んだり、攻撃的な行動で気持ちをぶつけたりしますが、言葉が発達してくると、言葉での攻撃が出てきます。3歳児になると、言葉での説明ができるようになるため、イメージの共有やじゃんけんなど社会的ルールを使用した解決策の提示、相手の気持ちの理解などを通して、子ども同士でいざこざを解決していけるようになります。4歳児以降になると、集団で遊ぶことが増えるようになり、対人葛藤も多くなることで、競争心が高まってきます。しかし、自分より年下の子には、乱暴なことをされても我慢できるようになり、物事の善悪が判断できるようになることで、『いけないこと』をすると保育者に知らせにくる子どもも出てきます。

「道徳性と思いやり」道徳性の芽生えとして、道徳性の基盤となる部分はすでに乳児期から培われていて、2歳児の終わりまでに、愛着対象となる特定の養育者との間で繰り返されるやり取りの中で、ルールが破られることに対する感受性を身に付けていきます。

「模倣」無意識的な模倣の始まりとして、共鳴動作(新生児模倣)がおおよそ0歳0ヶ月から始まります。おおよそ0歳6ヶ月になると他者模倣が始まり、手足の動きなど自分の目で見える部位の動作から、顔の表情等、自分では目に見えない部分の動きの模倣をします。また、同じころから手本となる行動を観察し、すぐに模倣するのではなく、それを記憶に留めて後に真似をする能力である延滞模倣もこの時期から始まるとされています。おおよそ0歳8ヶ月になると見えない部分の模倣に必要な動作シェマを打ち立て、おおよそ0歳10ヶ月に言語模倣が始まります。そして、おおよそ1歳2ヶ月では模倣だけでなく、見立てが始まります。おおよそ2歳前後で生活のすべてが模倣であるような行動をし、おおよそ4歳で通じ合うための手段であった模倣から言語的コミュニケーションへと移行していきます。

「自我」自我の芽生えはおおよそ1歳半頃から始まります。それまではできていなかった自他未分化が、他者からの呼びかけや自分の行動に対する反応から、自他の違いに気づき、自己主張が表れます。「自分の存在」に気づくことで、「自分で」と主張する自我が芽生えてくるのです。おおよそ2歳~2歳6ヶ月になると、なんでも自分でやろうとして「自分で」と大人の指示に反抗する一方で「手伝って」と甘えてみたり、「見てて」と要求したりすることもあり、気持ちが揺れ動く、第一次反抗期に突入します。子どもの「自分でやる」という主張を認めて尊重し、求めていることを冷静に見極めてそれを実現させてあげ、また、子どもに満足感を与え、自分は受け入れられているという安心感をもたせることが大切です。おおよそ2歳7ヶ月~3歳未満では、自尊心や自立心が育ち始めます。子どもが葛藤しているときには、子どもの気持ちに寄り添い、「いっぱい泣いていいんだよ」と、子どもの葛藤を肯定的にとらえ、あたたかく支えていく関わりが大切になります。おおよそ4歳になると、自意識が芽生え、自意識が生まれると、「理想の自分」と「現実の自分」という意識の分化が見られるようになります。おおよそ5歳になると、大人に援助されなくても身の回りのことができたり、自分でやりたいことを見つけたり、選んだりすることができるようになります。保育者は、子どもの自主性や自立性の妨げにならないように配慮しながら援助していく必要があります。

「探索活動」知らない物事に興味を示し、それがどんなものなのかを確かめ、知ろうとする行動のことであり、子ども達は自分の目に見えた事に興味?関心を覚え、触ってみたり、探してみたりする等、周りの環境に好奇心や探究心を持ち始めます。探索活動には種類があり、乳児期の赤ちゃんに見られる代表的な探索活動は、指さし行動と確認行動が挙げられます。幼児期は友達と一緒に探索を楽しむようになり、探索活動を日々繰り返し、積み重ねていくことで周りの世界を学んでいくのです。

「言葉」おおよそ0歳1,2ヶ月にクーイングが始まり、おおよそ0歳4ヶ月~0歳6ヶ月でクーイングから喃語につながっていきます。おおよそ0歳6ヶ月~0歳9ヶ月で反復喃語につながり、おおよそ0歳10ヶ月~1歳未満で指さしなどをするようになります。おおよそ1歳9ヶ月になると語彙数が30~50語前後になり、おおよそ2歳前後で二語文を使えるようになります。おおよそ3歳頃にかけて多語文が話せるようになり、時間的概念も言葉で表現できるようになります。満3歳を過ぎたころからは、現在?過去?未来の区別ができるようになり、おおむね4歳になると質問についての理由が説明できるようになります。おおむね6歳になると、様々な理屈を根拠にあげて説明できるようになり、文字を読むことや描くことにも興味を持ち始め、相手に応じて言葉を使い分けられるようになります。
「遊び」遊びの発達については、主にパーテンによる社会的発達からみた遊びと、ピアジェによる認知的発達からみた遊びの二つの理論について説明します。
まず、パーテンによる社会的発達からみた遊びについての発達の流れは、何もしていない状態から始まり、
傍観者的行動→一人遊び→平行遊び→連合遊び→協同遊び
という流れで発達していきます。何もしていない状態では、子どもは遊んでいるのではなく、瞬間的に興味をひくことが起こったときにはそれに注意していて、何も起こらない時には、部屋をぼーっと見たりしています。傍観者的行動では、明らかに特別の集団に関心を向けているのが特徴であり、ひとり遊びでは、他の子どもに関係なく、自分自身の活動をしている状態のことです。平行遊びは2、3歳頃から見られ、自然に他の子どもに影響された活動を一人で楽しみ、他の子どもと一緒に遊ぶというよりもその傍らで遊んでいるという状態です。同じく2、3歳頃から見られる連合遊びでは、役割分担などは見られず、自分の興味関心を集団に組織化せずに自分のしたいように活動をしますが、会話は共通の活動に関係しており、遊具の貸し借りがあるのが特徴です。3、4歳頃から見られる協同遊びでは、共通の目的をもって組織された集団で子どもたちは遊び、役割分担や組織化がなされることが特徴です。
ピアジェによる認知的発達からみた遊びについては、機能的遊び(0~2歳)、象徴的遊び(2~6歳)、ルールのある遊び(6,7歳~大人)の流れで発達するといわれています。機能的遊びが見られる0~2歳は、感覚運動期とよばれ、生後2~3ヶ月頃の乳児は、ガラガラや両親の顔や声を興味の対象とし、二足歩行が可能になっても感覚と身体運動の機能を繰り返し使おうとします。2~6歳で見られる象徴的遊びでは、何かを別の何かで表現する能力である表象機能により、直接その場にない事物を見立てて遊ぶ姿が見られます。集団生活の中で次第に共通な経験をもつ子ども同士で遊ぶようになることで、共同して遊ぶ楽しさを知るようになります。つまり、象徴遊びの意義は、社会との関わりを表すとともに、子ども同士が互いに関わり、つくり出していく遊びであると言えるのです。

私自身、この発達プロジェクトに入り、子どもの発達について学んできましたが、まだまだ理解しきれていない部分がとても多くあります。しかし、子どもの発達について学ぶことは、子どもと関わるうえで必要不可欠であり、日々学んでいかなければいけないことだと思うので、しっかりと身に付けていきましょう!

記事担当者:木村杏伽