2019/01/12 保育士?幼稚園課程
保育キャリア形成Ⅷ
1月12日、4限の時間に、社会福祉法人銀杏の会バンビの森保育園園長?壹岐美津子先生をお招きし、講話をしていただきました。
まず初めに、壹岐先生の幼少期以降のお話から、いかに幼少期の環境がその後の人生や見方の形成において奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】であるかについてお話しいただき、その後、学生からの質問に答えていただきました。
壹岐先生は、幼いころ、他の子よりも発達が遅れていたそうですが、周りにいた人たちから「いい子だね」「天真爛漫だね」などと温かい言葉をたくさんかけられて過ごしたそうです。そのような経験から、幼少期にたくさん褒められ、自己肯定感が育まれることや、自分を自分で認められるような体験が大切だとおっしゃっていました。
また、大人は子どものできないことや周りと違うところを指摘してしまいがちですが、違いを認めつつ、良いところをたくさん見つけてあげて、その子らしさを大切にしていってほしいとおっしゃっていました。
まず初めに、壹岐先生の幼少期以降のお話から、いかに幼少期の環境がその後の人生や見方の形成において奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】であるかについてお話しいただき、その後、学生からの質問に答えていただきました。
壹岐先生は、幼いころ、他の子よりも発達が遅れていたそうですが、周りにいた人たちから「いい子だね」「天真爛漫だね」などと温かい言葉をたくさんかけられて過ごしたそうです。そのような経験から、幼少期にたくさん褒められ、自己肯定感が育まれることや、自分を自分で認められるような体験が大切だとおっしゃっていました。
また、大人は子どものできないことや周りと違うところを指摘してしまいがちですが、違いを認めつつ、良いところをたくさん見つけてあげて、その子らしさを大切にしていってほしいとおっしゃっていました。
そして次に、学生からの質問について、とても真摯に、丁寧に答えていただきました。その中からいくつかご紹介します。
【学生からの質問】
Q1、子どもが発した言葉で一番印象に残っていること、感心したことをお教えください
下半身不随の男の子が入園してきたことがありました。園では初めてのケースだったので、どのようなことにどのくらい気を遣えばよいか困惑していましたが、ある時、一人の男の子が車いすの男の子に「なんで足があるのに歩けないの」と尋ねました。車いすの男の子は、「足があるけど歩けないの」と答え、男の子は「わかった」と返事をしました。その後、男の子は車いすの男の子が困っていると、「○○君できないから手伝ってあげて」と保育者に教えてくれたり、車いすの男の子ができることは手伝わず見守っていたりしていました。そこから周りの子どもたちにも伝染していきました。子どもたちの一見なんでもないような単純なやり取りだが、とても深くやり取りだと感じました。子どもたちは保育者以上に子どもたち同士で分かりあっているのだと思いました。
Q2、壹岐先生が今までで一番困った保護者対応には、どのようなものがありましたか?
バンビの森保育園が認可保育園になりたての頃、「自分の子どもが大事にされていない」と思うことがあると、現場の保育士に毎日のように指摘する保護者の方がいました。
後日、ご夫婦で園の事務所にお越しいただき、「子どもに見えるところでご指摘なさると、大好きなお母さんと大好きな先生がけんかしているように見えて子どもが悲しくなってしまうので、次何か気になったことがあった時は、ぜひ事務所に言いに来てくださいね。」と伝えました。その後は事務所に言いに来てくれるようになり、その保護者の方と関係を築くことができました。卒園時には「これまで要望に応えてもらったから」と役員を引き受けてくださいました。保育者にとって「困った保護者」とは、それは「困っている保護者」です。保護者の言葉に耳を傾けて、保護者の良いところを見つける姿勢を常に持つことが大切であります。
Q3、今後の保育はどのようになっていってほしいとお考えでしょうか?
保育は、養護と教育の「養護」の部分のイメージが先行しがちだが、子どものための施設、子どものための教育の場として広がっていってほしいです。そこに養護的視点や親支援を結び付けていきたいです。「保育園は養護、幼稚園は教育」のイメージが強いため、どの施設も教育の施設として捉えてもらえるようにしていきたいです。バンビの森保育園でも、お便りに教育的視点を結び付けて発信する取り組みをしています。
【保育者について】
Q4、実習生に対してはどのような視点や姿勢を持ってもらいたいとお考えですか?
素直に子どもの凄さ、可愛さ、素敵さ、驚きに気づき、子ども自身の良いところを見てほしいです。また、クラスに入った時に、誰か一人でも子どもと仲良くなって、そこから子どもたちとの関係を広げていってほしいです。
Q5、新人保育士に対して求めるものは、どのようなことでしょうか?
新人保育士ならではの視点というものが必ずあると思うので、それを表現し、伝えてほしいです。保育所に入って感じることはすべて宝物であります。
Q6、職員間で保育観の違いで困ることはありますか?また、そのような場合はどのようにしていますか?
保育観はそれぞれ違っていいし、それは互いの学びにもなります。しかし、保育所の保育理念などの根の部分は共通理解しておいた方がいいです。保育観の違いは「このような考えもあるのだな」と気付き、考えるチャンスであり、違いに困ることはないです。
Q7、保護者支援において、保育者が悩んでいる場合、壹岐先生はどのような関わり方をされますか?
まずは、悩みを言ってくれるような関係を保護者と構築します。そのためには、日々の中で何でもないときにときに何でもない話をできるようなプラスワンの声掛け(例えば天気の話や時事の話など)が大切になってきます。相手の気持ちを察し、相手の立場に立って考えられることも必要です。
Q8、学生にはどのような知識?技術等を身につけてほしいとお考えですか?
人のいいところを見つける目を養ってほしいです。今も知識を身につけている途中だと思いますが、これからも学ぶ機会がたくさんあります。そして、何か困った時、人だけではなく、物事に対してもいいところを見ようとすると視野が広がります。
Q9、この仕事をしていることならではの良さ?魅力についてお教えください
いろいろな人に出会えることが魅力です。いくつになっても終わりがなく、意欲があればいくつになっても学べます。また、保護者の方に、職業の専門性を活かしていろいろな分野のことについて教えていただいたり、保育所に力を貸していただいたりすることもあります。「保育だから」といって、子どもに関する知識を蓄えるだけでなく、どのようなことでも学ぶ意欲を持ち、人間的に豊かになることで、結果的に子どもに還元されていきます。責任の重い仕事だが、感動も発見も喜びもたくさんあります。
以上が、壹岐先生がお答えくださった内容です。
人のいいところを見つける視点や、何事も学ぼうとする姿勢はすべて保育の質の向上につながると壹岐先生はおっしゃっていました。壹岐先生の実際の体験に基づいたお話からも、気付かされることが多くあったのではないのでしょうか。これから幼稚園実習、就職活動などがありますが、保育の魅力を改めて感じ、学びが深まった90分になったと思います。今回の学びをもとに、残りわずかとなった学生生活を実り多きものにしていきましょう。
記事担当 石山優子
【学生からの質問】
Q1、子どもが発した言葉で一番印象に残っていること、感心したことをお教えください
下半身不随の男の子が入園してきたことがありました。園では初めてのケースだったので、どのようなことにどのくらい気を遣えばよいか困惑していましたが、ある時、一人の男の子が車いすの男の子に「なんで足があるのに歩けないの」と尋ねました。車いすの男の子は、「足があるけど歩けないの」と答え、男の子は「わかった」と返事をしました。その後、男の子は車いすの男の子が困っていると、「○○君できないから手伝ってあげて」と保育者に教えてくれたり、車いすの男の子ができることは手伝わず見守っていたりしていました。そこから周りの子どもたちにも伝染していきました。子どもたちの一見なんでもないような単純なやり取りだが、とても深くやり取りだと感じました。子どもたちは保育者以上に子どもたち同士で分かりあっているのだと思いました。
Q2、壹岐先生が今までで一番困った保護者対応には、どのようなものがありましたか?
バンビの森保育園が認可保育園になりたての頃、「自分の子どもが大事にされていない」と思うことがあると、現場の保育士に毎日のように指摘する保護者の方がいました。
後日、ご夫婦で園の事務所にお越しいただき、「子どもに見えるところでご指摘なさると、大好きなお母さんと大好きな先生がけんかしているように見えて子どもが悲しくなってしまうので、次何か気になったことがあった時は、ぜひ事務所に言いに来てくださいね。」と伝えました。その後は事務所に言いに来てくれるようになり、その保護者の方と関係を築くことができました。卒園時には「これまで要望に応えてもらったから」と役員を引き受けてくださいました。保育者にとって「困った保護者」とは、それは「困っている保護者」です。保護者の言葉に耳を傾けて、保護者の良いところを見つける姿勢を常に持つことが大切であります。
Q3、今後の保育はどのようになっていってほしいとお考えでしょうか?
保育は、養護と教育の「養護」の部分のイメージが先行しがちだが、子どものための施設、子どものための教育の場として広がっていってほしいです。そこに養護的視点や親支援を結び付けていきたいです。「保育園は養護、幼稚園は教育」のイメージが強いため、どの施設も教育の施設として捉えてもらえるようにしていきたいです。バンビの森保育園でも、お便りに教育的視点を結び付けて発信する取り組みをしています。
【保育者について】
Q4、実習生に対してはどのような視点や姿勢を持ってもらいたいとお考えですか?
素直に子どもの凄さ、可愛さ、素敵さ、驚きに気づき、子ども自身の良いところを見てほしいです。また、クラスに入った時に、誰か一人でも子どもと仲良くなって、そこから子どもたちとの関係を広げていってほしいです。
Q5、新人保育士に対して求めるものは、どのようなことでしょうか?
新人保育士ならではの視点というものが必ずあると思うので、それを表現し、伝えてほしいです。保育所に入って感じることはすべて宝物であります。
Q6、職員間で保育観の違いで困ることはありますか?また、そのような場合はどのようにしていますか?
保育観はそれぞれ違っていいし、それは互いの学びにもなります。しかし、保育所の保育理念などの根の部分は共通理解しておいた方がいいです。保育観の違いは「このような考えもあるのだな」と気付き、考えるチャンスであり、違いに困ることはないです。
Q7、保護者支援において、保育者が悩んでいる場合、壹岐先生はどのような関わり方をされますか?
まずは、悩みを言ってくれるような関係を保護者と構築します。そのためには、日々の中で何でもないときにときに何でもない話をできるようなプラスワンの声掛け(例えば天気の話や時事の話など)が大切になってきます。相手の気持ちを察し、相手の立場に立って考えられることも必要です。
Q8、学生にはどのような知識?技術等を身につけてほしいとお考えですか?
人のいいところを見つける目を養ってほしいです。今も知識を身につけている途中だと思いますが、これからも学ぶ機会がたくさんあります。そして、何か困った時、人だけではなく、物事に対してもいいところを見ようとすると視野が広がります。
Q9、この仕事をしていることならではの良さ?魅力についてお教えください
いろいろな人に出会えることが魅力です。いくつになっても終わりがなく、意欲があればいくつになっても学べます。また、保護者の方に、職業の専門性を活かしていろいろな分野のことについて教えていただいたり、保育所に力を貸していただいたりすることもあります。「保育だから」といって、子どもに関する知識を蓄えるだけでなく、どのようなことでも学ぶ意欲を持ち、人間的に豊かになることで、結果的に子どもに還元されていきます。責任の重い仕事だが、感動も発見も喜びもたくさんあります。
以上が、壹岐先生がお答えくださった内容です。
人のいいところを見つける視点や、何事も学ぼうとする姿勢はすべて保育の質の向上につながると壹岐先生はおっしゃっていました。壹岐先生の実際の体験に基づいたお話からも、気付かされることが多くあったのではないのでしょうか。これから幼稚園実習、就職活動などがありますが、保育の魅力を改めて感じ、学びが深まった90分になったと思います。今回の学びをもとに、残りわずかとなった学生生活を実り多きものにしていきましょう。
記事担当 石山優子