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2021/12/02 保育士?幼稚園課程

保育実習指導Ⅱ

12月2日(木)6限の保育実習指導Ⅱは、「実習の省察と次段階の展望Ⅳ」と題して、君島昌志先生による対面形式の授業が行われました。 
今回は社会福祉法人養護愛護会一宮学園様の映像コンテンツを活用して、演習形式の授業を行いました。学生は、映像を視聴し、ワークシートに記入するなどしながら、実際の施設内の諸相を学びました。
以下にワークシートに記入した内容を示します。

映像演習「児童養護施設の保育実践」

◎動画1「児童養護施設」
映像を見ながら、以下の設問を考えてみよう
?子どものかかりやすい感染症は?
?感染症が流行ったとき、なぜ調理に関わる職員は寮舎に出入り禁止になるのか?
→かかりやすい感染症は、ノロウイルスや感染症が流行ったときには感染が広がらないように出入り禁止にしている。その場合、配膳は他の職員が行う。
②寮の食事中に生じやすい子ども同士のトラブルは?
?どのような会話がトラブルの原因になるか?
→一番多いのは親の話。施設の子どもの中には親に関する話題に敏感な子どもがいる。
 また、生活スタイルや生まれ育った環境などが異なることによるトラブルがある。
そのため、幼児?小学生?中学生など年齢で食事の時間を分けて食べている。
③施設の方針として、お手伝いをどのように位置付けているか?
→基本的にはお手伝いをすることはなく、職員が行っている。子ども達が家庭で大切にされることが実感できるように、職員に「やってもらう」を大切にしている。
例外として、職員と子どもの関係づくりのために意図的にお手伝いをさせることはある。
④施設の方針として、入浴をどのように捉えているか?
→基本的には個別入浴をしている(幼児は担当の職員が援助する)。理由としては、人には見せてはいけないプライベートゾーンがあることを教えるなど子どもの性教育を行うため。また、個別入浴することで子どもが安心して入ることが出来るようにするためである。
⑤共有物を減らす意味はなにか?
→今まで共有物は大切にされてこなかった。そのため、まずは自分の物を大切にしていくことから始め、共有物も大切に出来るようにしていくため。

児童養護施設の映像では、「個別化」という言葉が何度も施設の職員から出ていました。施設の子ども達の背景として、親などに大切にされてこなかったという経験があります。そのため施設では、コップや箸などはもちろん、シャンプーなども個別化されていました。施設は定員104名と多いですが、、一人一人が大切にされる経験が出来るように職員が工夫されている様子が見てとれました。

◎動画2「地域小規模児童養護施設(グループホーム)」
家庭の機能や家庭らしさが表れているところを書いてみよう
?暮らしている子どもが6人と少人数である。
?一人ひとり個室があり、各部屋にベットや机、洋服ダンスがある。
?施設のリビングや玄関などが一般家庭に近いつくりになっている。
?シャンプーなどの生活用具が個別化されている。
?地域の町内会に入り、同じゴミ捨て場を使用するなど地域とのかかわりが深い。
?台所からリビングが見られる作りになっている。少人数だからこそ、目を配りやすい。

小規模化のメリット
?一般家庭とほぼ同じように生活でき、家庭のイメージが持ちやすい。
?施設が地域の中にあるため、地域との交流しやすさから社会的養護の理解が深まる。
?集団生活のストレスが少なく、子どもの生活が落ち着きやすい。
?職員が子ども一人ひとりに丁寧に関わることができ、大切にされる経験を積みやすい。

小規模化のデメリット
?一人の子どものイライラが他の子にも伝わって伝染してしまい、子ども全員が不安定な状態になりやすい。
?職員を独占したい気持ちが強くなり、他の子どもを嫌がらせに繋がるおそれがある。
?職員の退職や異動があれば、子どもに動揺をもたらす。
?子どもとのかかわりの他に、子ども同士のトラブル、家事全般や学校や保護者、地域住民との連絡など職員の役割が多岐にわたるため負担が大きい。
?家庭同様に密着化しやすい、職員が孤立して一人の職員の独善的な判断や行動をとる場合がある。

地域小規模児童養護施設の映像では、家庭的な環境と雰囲気で一般家庭とほとんど変わりない生活体験ができることが大きなメリットだと思いました。また、一人ひとり個室があり大人数の施設では難しいプライベートが守られる空間があるのも、小規模ならではだと感じました。しかし、職員の負担感や子ども同士の影響の大きさなどデメリットがあることも同時に学びました。小規模化はメリットが多いと感じていましたが、デメリットもあり、そこにも目を向けながら、施設で過ごす子ども達がより良い生活ができるように考えていかなくてはいけないと感じました。


今回は映像で施設それぞれのメリットやデメリット、職員の工夫が学べたかと思います。
どちらの施設でも子どもの最善の利益を考えて工夫して環境をつくり、関わっている職員の方々の姿がありました。
学生のみなさんも多くの学びを得られたのではないでしょうか。
今一度、施設の特性を振り返り、学びを深めていきましょう!

記事担当:大槻優希子、森麻尋、島貫莉花子