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2021/12/04 保育士?幼稚園課程

TFU教育フォーラム2021(前半)

12月4日(土)に2年ぶりに【TFU教育フォーラム2021】が開催されました。
今回はYouTube やZoomおよびMeetを用いて、オンライン形式で行われました。

まず始めに、開会式がYouTubeの生配信で行われ、教育学部長?学科長等の主催者挨拶や、各分科会の参加?進行上の留意点の説明などがありました。その後、各分科会に分かれて、それぞれのテーマに沿って発表が行われました。

第1分科会(幼保の部)では、「乳幼児の発達過程と【幼児期の終わりまでに育ってほしい姿】」と題して、本学の発達プロジェクトの学生が発表を行いました。
以下、発表内容を示します。

<前半の部の流れ>
1.趣旨?枠組み説明
2.3歳未満児 乳児保育 事例紹介
  事例提供者:文京区立お茶の水女子大学こども園(認定こども園) 伊藤ほのかさん
        (平成30年度奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】教育学部教育学科 卒業)
3.3歳未満児② 1歳以上3歳未満児 事例紹介
事例提供者:K大学付属N園 岸本唯さん
     (平成25年度奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】子ども科学部子ども教育学科 卒業)
4.ご講評

1.趣旨?枠組み説明
◎テーマを掲げた経緯
ある先生の「子どもの発達の先に10の姿があり、つねに保育者は願いを持ちながら保育をすることが大切」という話をきっかけに、発達と【10の姿】を結びつけて保育の学びを深めることにしました。
→しかし、10の姿を全て取り入れるのは難しいと考え、【10の姿】のうち「健康な心と体」に焦点を当てて学んでいくことにしました。

◎10の姿の中でも「健康な心と体」を選んだ経緯
①発達プロジェクトメンバー一人ひとりが「子どもに育ってほしい姿」を出し合う
②それぞれの「子どもに育ってほしい姿」を【10の姿】と結びつける
→そこで「健康な心と体」が共通項になりました。

ここで、実際の保育所や幼稚園、認定こども園ではどうなのか、仙台圏内77園のHPなどから調べることにしました。すると、多くの園が“元気な子ども”や“良く遊ぶ子ども”など、「健康な心と体」に関連する保育理念が見受けられました。

そこで、子どもの育ちの過程とそれに合わせた保育者の意図や関わりなどを学ぶためにも、OGの方に事例を提供して頂きました。そうすると、実際には「健康な心と体」だけではなく、他の項目にも結びついていること気がつき、他にも着目することが多々あると思うようになりました。
→そこで、【10の姿】だけではなく、【3つの視点】や【5領域】にも着目して多角的に検討することにしました。
ここからは、OGの先輩方から提供していただいた事例を基に4つの発表が行われました。

2.3歳未満児? 0歳児 乳児保育「健やかに伸び伸びと育つ」内容③に関する事例
?クラス/年齢:0歳児クラス(10ヶ月)
?場面:食事
?場所:保育室の食事スペース
?時期:6月

【背景】
6月から登園し始めたK児(10ヶ月)。入園当初から、なかなか食事をする様子がみられない日が続いていた。また、食事の時間によく動き回る姿があったが、保護者によると家庭での食事でも同じような姿が見られ、立ったままや階段を降りている途中で食べさせたりすることもあるとのことだった。

【事例】
食事の時間になり、膝の上に座らせたまま食事を始めようとすると、K児は嫌がるように体を後ろに反らせた。椅子を勧めても興味を示さず、テーブルの周りを動き回っていた。しかし、動くといってもテーブルから離れていくことはなく、食具に興味を持ったり、偶然手についたご飯粒を口に持っていって食べたりする姿が見られた。この姿に保育者は食事にまつわる行為や動作に興味はあるのではないかと思ったため、栄養士の指導を基に姿勢はK児に任せて、ご飯を口にしてみる経験から始めることにした。そして、K児が1口で食べられる分を口元に運んでみると、自分からスプーンに顔を近づけ食べる姿が見られるようになってきた。加えて、笑顔とともに「これは○○だね」「甘いね」などと言葉を優しく添え、「おいしくて嬉しいね」という気持ちを込めながら食事介助を行うようにしてみた。

2週間ほど経ち、食事の量が増えてきたので、さりげなく膝の上に座らせてみることにした。すると、以前のように嫌がる姿もなく、座って食事をするようになった。しかし、まだ長くは座り続けないため、食事を嫌がるときは食事をやめ、ミルクに移るようにした。そうしてミルクを飲んでから入眠するリズムが少しずつ定着していった。やがて、椅子に座って食べてみようとする姿勢も見られるようになったため、一時は安定してきたと思ったのだが、このリズムを始めて約2週間後、以前のように食事を嫌がるようになった。担任と栄養士は、K児は園生活にも慣れてきて、ハイハイでの活動範囲が広がり運動量が増えた分、空腹感も強く感じ始めているのではないかと予想した。そのため、ミルクを先に半分ほど飲んでから、食事を始めるようにリズムを変更した。その結果、ミルクによって空腹も少しだけ満たされ、食事にも気持ちが向くようになるのか、また以前のように食べるようになった。
以上が事例の内容になります。ほのか先生はK児の一瞬の興味?関心を見逃しませんでした。K児が興味を持つタイミングを見極めて、目の前に食事をのせたスプーンを見せてみる?口元へスプーンを運んでみるということを繰り返してみることによって、K児の食事に対する前向きな気持ちを引き出すことができたのではないでしょうか。

このように、子どもの表情?仕草?目線から子どもの気持ちを察し、言葉で代弁していくことがとても大切です。見逃さないためには食事の場面で目を合わせたり、子どもの目線の先にあるものを見るように意識していくことが大切です。

また、初めは少量から始めたり、タイミングよく口に運び、嫌がる時には止めてミルクに切り替えたりして、子どものペースや食事への気持ちを尊重するよう関わっていました。K児がなぜ嫌がっているのか気持ちを考察し、今の姿?育ちから解決策を探究していくことが大切です。このようなK児のペースを尊重した関わりは【3つの視点】の「健やかにのびのびと育つ」に繋がっていくのではないでしょうか。

さらに、ほのか先生は事例の中で「なんだか甘いね」「これはお魚だね。柔らかいね。」など、この終助詞「~ね」を添えて声がけするよう努めていましたが、このことで『(保育者も)K児と同じように感じているよ』というメッセージになり、こうした丁寧に共感することが安心感を与えていたのではないでしょうか。子どものサインをキャッチし共感する言葉がけをすることで、子どもも「これが甘いということか」「これが魚か」と感じたり、言葉の理解をし始めたりすることに繋がり、こられにより食への能動性が高まっていったのではないでしょうか。

これらの関わりの大前提として、保育者がK児にとって安心できる存在であることが大切です。事例の初めは、保育者との信頼関係がまだ築けていませんでした。食事の時間によく動きまわる姿が見られたのは、もしかしたら保育者の反応を伺っていたのかもしれません。そして、その際、K児のその時の姿に合わせた関わりや気持ちに共感する関わりをしたので、K児は愛着や信頼感を抱いたと考えます。愛着や信頼関係に支えられたことでK児は何でも食べるようになり、はっきりと言葉を出すなど、自己効力感の高い現在の姿が見られるようになったのではないでしょうか。

以上が事例に関する考察です。ここからは発達プロジェクトによる学生の感想と学びです。
【感想?学び】
?学んだこと①
子どもにとってミルクから食事に移ることは、未知なる世界に足を踏み入れることと一緒。
→食事に対する前向きな気持ちを引き出すためには、保育者が子どもにとって安心できる存在であることが前提である。そのために、今の子どもの姿?思いに寄り添い、応答的に受け止めることが関わりとしてとても奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】であることを学んだ。

?学んだこと②
3つの視点でしっかり捉えて事例について深く探究していくと、5領域も関わっていることに気付いた。

以上で①乳児保育 事例紹介は終わりになります。保育者は立ち歩くK児に対して、出来なくても急がさず無理矢理することなく、子どものリズムやペースに合わせて関わったからこそ、K児は食事に興味を持てたり、座って食べられるようになったのではないでしょうか。食事の一場面でも食に関する興味や関心が育ったり、保育者の温かい言葉がけに安心して気持ちのつながりを感じたりなど様々な育ちを感じました。

次に3歳未満児②1歳以上3歳未満児 事例紹介です。

3.3歳未満児② 1歳以上3歳未満児 事例紹介
?クラス/年齢:1歳児クラス(1歳8ヶ月)
?場面:登園時
?場所:玄関と保育室
?時期:6月
※岸本さんは当該児童の保護者として事例に登場

【背景】
?R児は「やりたいこと」「やりたいタイミング」を主張することが増えてきており、「これほしいの」「おそといくの」「おきがえやんや」と自分の意思を言葉で他者に伝えるようになってきていた。
?梅雨時期を前にR児の保護者が新しく水色の長靴を購入したことをきっかけに、R児は長靴がお気に入りになった。
?この頃は、天候に関係なく、晴れた日でも長靴を履いて登園していた。

【事例】
長靴を履いて登園したR児。園の下駄箱にあった黄色い長靴に興味を示し、履こうとした。保護者(岸本さん)はお友達の長靴だったため、止めてR児の長靴を履くようには声をかけたが、黄色い長靴を離さなかった。その様子に気付いた保育者は「お友達に借りてもいいか聞いてみてからでいい?」と声をかけると、R児は頷いた。K保育者が誰の長靴か声をかけると、E児が「Eの!」と答え、K保育者が「Eちゃん、Rくんがね、この長靴があまりにも素敵だから、少し履いてみたいんだって。お借りしてもいいかしら?」と聞くと、「だめ」とE児。それを聞いて、泣き崩れるR児。K保育者が「そっか。お貸しするのは難しいのね。分かりました。ありがとうEちゃん」言い、R児に「Rくん、ちょっと待っててね」と伝えて職員室から黄色の丸シールを持ってきた。「Rくん、この黄色が素敵だったんだよね。黄色のシールをぺたぺた貼ったら、Rくんの長靴も黄色になるかしら?」と声をかけ、R児の水色の長靴に黄色の丸シールを貼り始めた。
その様子をじっと見ていたR児は、自分でシールを貼り始め、E児もそばにくると、R児の長靴にシールを貼り始めた。完成するとR児は嬉しそうに笑いながらその場で長靴を履こうとした。K保育者は「お部屋で履きますか?じゃあ靴の裏だけ、拭くから少し待っていてくれますか?」と声をかけると、R児は頷き、「ふきふき」と言いながら、待っていた。
その後、長靴を履いて保育室に入ると、他の保育者から「今日のRくんはアメリカ~ンね」と声がかかった。R児は満足気な表情で、「アメリカ~ン」と言いながら、長靴を履いたまま、保育室で遊び始めた。

以上が事例になります。この事例の後、岸本さんはK保育者に謝り、R児に「こだわるのはいいけど、ほどほどにね」と伝えました。すると、K保育者は「『ほどほど』というのは『やりきる経験』を積み重ねることで、『ほどほど』に調節できるようになるのです。Rくんは今、やりきろうとしている途中です。なので、Rくんのこだわりはかっこいい!ということです。しかし、どんな状況でも自分の意志が100%通るということはあまりなく、難しい状況もあります。今回の場面でいうと、『黄色の長靴はダメと言われたので仕方ないけど、黄色のシールを貼るのはどう?』『お部屋で長靴を履いてもいいけど、靴の裏を拭く間は待っていてね』などと、大人も子どももお互いに譲り合って、気持ちのいい着地点を見つけるということで、1、2歳児でも柔軟に生活する方法を見つけられるのだと思います。」とおっしゃいました。

Rくんのこだわりは一見マイナスにも捉えてしまいそうですが、Rくんの思いや発達段階をK保育者は理解しているからこそ、「かっこいい!」という言葉が出たのだと思います。このように、一見マイナスな姿もプラスに捉え、成長している姿を認めることがとても大切であると学びました。
 
次に、学生が岸本さんに対してインタビューを行い、質問に対して答えていただきました。以下に示します。

【インタビュー】(一部抜粋)
①RくんはEちゃんに長靴を貸してもらうのを拒否されたが、その後一緒にシールを貼ることになって抵抗はなかったのか?この時の保育者の言葉がけや関わりは?
→E児は「自分の長靴を貸したくない」という気持ちがあり断ったが、涙を流すR児に気付いて遊びを止めて、R児の近くに来たと思う。R児はE児が気にかけてくれることを好意的に感じたため、一緒にシールを貼ることに抵抗がなかったのだと思う。
→K保育者はEちゃんがやってきたときに「Eちゃんも一緒に貼ってくれてありがとう」と声をかけていた

②部屋で靴を履くことは望ましくはないが、保育者の方はRくんのどのような成長を見通して、この行動を提案されたと思うか?
 また、部屋で長靴を履くことは、Rくんにどのような影響があるか?
→一般的なマナーとしてはいけないが、この施設の保育者は「子どもの気持ちを尊重すること」を大切にしている。ただ主張を受け入れられるのではなく、その中で保育者や友達の思いを伝えながら、自分で折り合いがつけられるように自分自身が感じ、考える経験を大切にしている。
→大人の価値観で望ましくないことを制止するのは、今後もこのような姿が続いてしまうのではという懸念があるからだと思う。しかし、子どもがやりきって満足感を得るなど、実体験の中で自分で学んでいる過程が大切である。また、それを周囲の大人に受け止められてもらえている安心感が信頼関係に繋がっていくのではないか。

以上がインタビュー内容になります。将来的に見るとルールやマナーは大切ではありますが、この時期の子どもにはまず満足してやり切ることが大切だと学びました。そのとき、大人は子どもを信じて、折り合いがつくまで待てることが子どもの成長に大事なのだと感じました。

ここからは、発表者の麻尋さんが発達と関連付けて考察した内容とまとめになります。

◎黄色の長靴が履きたかったR児、E児に「ダメ」と言われて泣き崩れしまった。その時の保育者は?
E児に断られたR児に対する保育者の対応として、気持ちを受け止め言葉がけの対応が多いですが、K保育者は黄色のシール貼りを提案していました。この対応の違いはK保育者がその時の子どもの興味や関心を見逃さなかったことにあります。K保育者はただその長靴がいいと汲み取るのではなく、その「黄色の」がいいと瞬時に判断したのです。

◎その場(室内)で靴を履こうとした。保育者の関わりは?
大人はついルールやマナーに捕らわれてしまい「部屋で靴を履くのはダメでしょ」「部屋が汚れてしまう」と大人の価値観で判断してしまいがちです。しかし、K保育者は、ルールやマナーを学ぶということよりも、まずは自己発揮ができるようになることを大切にした関わりをしていました。

◎事例後、保育室内で長靴を履きたがることは徐々に減っていったのはなぜか?
K保育者が部屋で履きたい気持ちを尊重したため、思う存分長靴を楽しめて満足したためではないでしょうか。また、K保育者が長靴の裏を拭くときにR児も真似をして「ふきふき」と言っていました。そのため、「ふきふき」という言葉がけで靴は外で履くものだということが段々分かってきたからではないでしょうか。

1歳以上3歳未満児の事例紹介は以上になります。K保育者は保育観をしっかりと持ち、発達を理解しているからこそ瞬時に適切な関わりができるのだと学び、良い関わりは自然と発達や指針等に結びついているのだと学びました。


4.ご講評
前半の部の最後に、青葉福祉会幼保連携型認定こども園青葉こども園の狩野奈津美先生からご講評をいただきました。

?3歳未満児?のご講評
この事例では、発達を学んだからこそ、深い学びが出来ていると感じました。0歳児は言葉で思いを表せない分、ちょっとした視線や仕草から思いを読み取りながら関わっています。0歳児は発達が目まぐるしいのですが、一つ一つの発達は全て線で繋がっています。子どもの様子と発達を線で結びつけるのが保育者の役割ではないかと思います。

?3歳未満児②のご講評
子どものやりたい思いと、大人の価値観からして望ましくない姿の境界線は難しいと感じていましたが、今回の発表で子どものやりたい思いを存分に満たすことが奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】であると再認識いたしました。大人の価値観は保育者それぞれにあると思いますが、一緒に働く保育者がそれを組織でどのように捉え、連携して保育を展開していくかということがとても奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】であると思いました。今回の事例のような場面は、よく見られることですが、こうした対応を今後どのようにしていくかが保育者間の連携にかかってくると思いました。

前半の部は以上になります。