*With TOP > VOL.13 OCTOBER 2003 > 
* * * * * *

【秋期スクーリングIII?IVのご案内】

スクーリング講義要項

福祉法学 志田 民吉

 指定テキスト(『福祉法学』,志田編著)に従い講義を行いますが,10月入学者用のテキストを持参しても可です。
1.11月1日
 (1) 社会福祉と法学(板書)特に人権理解の前提としての講義
 (2) テキスト序章
 (3) テキスト第 I 部 憲法
2.11月2日
 (1) テキスト第 I 部 憲法(22日の残りの部分)
 (2) テキスト第II部 行政法
 (3) テキスト第III部 民法
3.11月3日
 (1) テキスト第IV部 福祉サービスの利用と利用者の権利保護
 (2) 試験実施


心理学概論 佐藤 俊昭

 心理学の講義は一つひとつのトピックは理解できても,それらが人の心を理解するという究極の目的にどのように関連づけられるのか,わかりにくいという傾向があります。そこで,スクーリングでは2つの目標を掲げます。
 第1に,テキストをよく理解するためのお手伝いをします。まず,各章が何をわかってもらいたいと思って書かれているのかを要約して説明します。その上で,細かい基礎知識を整理します。そのときは,わかりにくかった点を,どんな些細なことでも結構ですから,遠慮なく質問してください。このような手続きを,テキストの章立てにしたがって順に進めます。どこまで進むことができるかは,いまは約束できません。
 第2に,人のこころとは何か,こころの世界とは何か,なぜこころができたのか,それを心理学的に理解するとはどういうことかを折に触れて具体的に説明します。こころを理解しようとする学問は心理学だけではありません。文学も哲学もこころを理解しようとしています。では,心理学の特徴はどこにあるのでしょうか。スクーリングで一緒に考えましょう。
 全般に2003年度の教科書(『図説 現代心理学入門(改訂版)』)で講義を進めるが,2002年度の教科書持参でもよい。


高齢者福祉論 田中 治和

 下記の内容について講義する予定。
(1) 高齢者問題の背景(高齢者人口の動向?家庭環境の変化)を中心としながら,高齢者福祉の成立要因を多角的に考えてみる。
(2) 高齢者の経済状況,および余暇活動等の実施の把握をする。
(3) 要介護高齢者(痴呆性高齢者?寝たきり高齢者等)の概念整理をする。
(4) 高齢者福祉対策の基本方向を学習する。


福祉社会学 赤塚 俊治

 超高齢?少子化,高度情報化,国際化が進捗して,家族関係や地域社会における生活環境が一層複雑な様相を呈している。こうした変革期の時代において私たちの社会生活にとって「本当の豊かさとは何か」を主眼におきながら講義を展開する。講義内容の具体的な視点として,現代社会が生み出す社会現象をより包括的に捉えながら,今日の生活問題を規定している諸要因やそれらの相互連関を体系的に究明する。特に国民生活のさまざまな社会問題に対応すべき社会福祉の援助過程に係わる社会的行為や社会政策などを社会学的な視点から現状分析することにする。そのための学習方法として,(1)社会学の一般的概念枠組みの理解,(2)現代社会の社会組織と社会集団に関する理解,(3)現代家族の変容と扶養機能の理解,(4)地域社会の変容と諸問題などを中心に講義を行う。その際,受講生の皆さんは,「事実?現実はいかにあるか」「いかにあるべきか?いかになすべきか」「それらはどこから」「どこにいこうとしているのか」を考察しながら講義に望んで頂きたいと思います。
(講義期間中は,プリントに沿って講義を進めますが,教科書を持参してください。)


障害者福祉論 前田 泰弘

 障害者の生活では,その援助に医療,保健,福祉,教育などの分野が包括的にかかわってきます。スクーリングの前半では,そのような領域の中で福祉的援助が有機的に実働するために修得すべき知識や考え方を,障害者の理解と援助に関する内容を中心に解説します。これをもとに.後半では,障害者福祉を実践していく上で必要な知識や技法,ならびにその実際を解説します。


福祉機器論 関川 伸哉

 福祉用具の歴史は,義肢装具(ぎしそうぐ)に起源をもっており,紀元前の昔にさかのぼります。義肢装具とは義肢と装具の2つに分けられ,いずれも「人体に装着する補助器具」です。本講義では,義肢装具を含めたヒトと用具の関係について解説してみたいと思います。福祉用具単体の理解ではなく,ヒトと福祉用具の関係について考えていただきたいと思います。主役は,福祉用具ではなくヒトであることを充分に理解してください。福祉機器またはリハビリテーション機器は1993年の法制定を期に「福祉用具」と総称された。ここで言う福祉用具とは,心身の機能が低下し日常生活に支障のある高齢者や心身障害者の日常生活の便宜を図るための用具,機能回復訓練のための用具および補装具をさしています。


教育心理学 白井 秀明

 各自の持つ「教育観」を見つめ直していただくことが目的です。受け身的に話を聞くのではなく,頭をフル回転していただきます。お楽しみに!
 講義内容は,次のように絞る予定です。
(1) 教育と発達…L.S.ヴィゴツキーとJ.ピアジェの発達論,ある発達障害児の例から
(2) 学習過程…学習とは何か,暗記学習と有意味学習
(3) 教授?学習過程…わかること,わからなくなること,動機づけ,教えるということ
(4) 教育評価…評価の目的,方法
 できるだけ多くの実践例をあげたいと思います。そして,「わかること」と同時に「わからなくなること」の“楽しさ(!?)”を感じていただけたら,そんな場になれば,と考えています。


家族心理学 西野 美佐子

 家族心理学は,おもに臨床心理学的研究を基盤として1980年代に台頭した心理学でも最も新しい学問です。これまでの心理学がおおむね個人のこころを対象としていたのに対して,家族心理学は,夫婦,親子,同胞や祖父母との関係を含む錯綜とした家族関係を対象とするのが特徴で,その理論的構築にあたっては,システムズ?アプローチが必要となります。女性の社会進出,不況,少子化など社会経済文化的出来事と密接な関連をもって展開される家族関係の力動性を追及するのが,家族心理学の中心的課題です。
 本講義のねらいは,今日の社会的状況を踏まえて,変容する家族の姿の中に貫く本質的なもの,普遍的なものについて理解を深めることです。
1.家族心理学とは
2.家族の心理構造
3.家族の発達段階とその心理的危機
4.ペアレンティング (1)夫婦関係の発達 (2)母子父子関係の発達 など
5.家族関係の心理的査定


教育社会学 星山 幸男

 教育を社会的な現象として捉える教育社会学固有の視点を解説し,その切り口からみえてくる今日の教育問題の本質を理解することに主眼を置いている。まずは,(1)教育の社会的性格をめぐる理論の発展を整理し,(2)政策?社会的課題と教育との関わりについて戦後の能力主義政策を手がかりに検討していく。
 そしてテキストを補足しながら,(3)学校の持つ社会的機能を多面的に検証し,学校文化についても論じていく。さらに,(4)しつけの現状と課題,(5)子どもの遊びの変化と成長?発達の問題について一緒に考えていく。問題点の指摘に留まらず,今後の展望を探りたい。


生涯発達心理学 木村 進

 一人の非行少年がいるとする。友達が悪いから非行するようになったと言う人もいるし,親の育て方に問題があったのだろうと考える人もいる。現在の状態をこれまでの積み重ねの結果と見るのが,発達的視点である。生涯発達心理学は,人は絶えず変化するものととらえ,その変化の様相とその変化をもたらす要因を明らかにしようとするものである。
 講義では,人の一生をいくつかの段階に区切って説明するが,それぞれの段階は,有機的な関連性をもって積み重なっていくということを理解してほしい。そのためには,受講生一人一人が,自分の中の発達ということに目を向けて,自分の経験としての発達を踏まえて理解することが効果的であろう。

1つ前のページへ*このページの先頭へ

*
*
(C) Copyright 2002 Tohoku Fukushi University. all rights reserved.
*