【通信制大学院コーナー】
平成16年度通信制大学院修了者からのメッセージ3
後に続く皆様へ
福祉心理学専攻 A.A.
私は,本学を卒業して20数年になります。心理学を学んだため,心理職を希望しましたが,当時は就職できる場が少なく,社会福祉施設職員としてケースカンファレンスなどにて,入所者の心理面の配慮などしながら業務をこなしてきました。現在は,特別養護老人ホーム併設の指定居宅介護支援事業所にて介護支援専門員(ケアマネージャー)をしていますが,困難事例も多く,その解決策を考える上で,もう一度心理学を学んでみたいと思い大学院に入りました。
数多い福祉職の中で,ホームヘルパーは一人職場と呼ばれるように,たった一人で業務をこなさなければならず,施設勤務と違い不安でありストレスも多いのではと思っていました。そんな中,あるホームヘルパーから派遣中に利用者から受けるセクシャル?ハラスメントの相談を受けていたことや先生からの勧めもあり,この実態を探るとともに,セクシャル?ハラスメントを減らすにはどのようにすればよいのかを研究することにしました。
研究方法は,女性ホームヘルパーを対象にしたアンケート質問紙法とホームヘルパー事業所管理者への面接調査を行なうことにし,先行論文の研究から始めました。しかし,通信教育のつらいところは,在宅での一人での研究のため,ちょっとした情報を得たい時に,さっと先生や同級生に尋ねられないところでしょうか。現在はインターネットの時代であり,同級生とメーリングリストを作り情報交換もしていましたが,履修科目と違い自分の研究となるとなかなか助言を得ることが難しかったと思います。そんな中,9月になりアンケート質問紙を作り,研究構想を先生に話し助言をいただいたところ,研究方向がずれ,セクシャル?ハラスメントを暗に認める研究内容になっていました。先生から指摘を受けるまで自分では全く気付かず,また,先生からは「社会貢献できる研究をしなさい」とやり直しの指示を受け,研究室で冷や汗が止まらず,倒れそうに(泣きそうに)なりながらも仙台から山形までやっとの思いで帰ってきました。このような失敗をしないためにも,先生とはまめにコンタクトを取った方が良いと思います。その後,11月末よりアンケート調査を実施しながら,12月にホームヘルパー事業所管理者への面接調査,年末年始は統計処理の毎日で,妻の実家への新年の挨拶時もデータ処理のためノートパソコンを持ち込んだくらいです。論文の締め切り日まで,もう間に合わないかと留年も覚悟しましたが,無事修了できたのも,小松紘先生ならびに事務室の皆様の暖かいご指導のおかげと感謝しているところです。
|