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VOL.57 JANUARY 2009 【学習サポート】 【現場から現場へ】 【2?3月科目修了試験のご案内】 【春期スクーリングI?IIのご案内】 【4月生進級手続きのご案内】 【平成21年度学年暦】 【通信制大学院コーナー】 【お知らせ】
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【現場から現場へ】改めて実習を見つめ直す准教授 志村 祐子 実習とは,それまでに学んだことを総合的に体験する場です。専門職としての倫理?技術?知識を体験的に把握する場でもあります。皆さんの頭の引き出しに入っている多くの学びを,現実とどう結びつけられるでしょうか? そして,これまでに文献や講義を通して学んだこととのジレンマを体感する場でもあります。 しかし,精神保健福祉士が関わる精神障害者の方々は,そうしたジレンマや偏見の多い現実の中で生活をしている人々なのです。そうした方々に対し,精神保健福祉士として何ができるか,どのような精神保健福祉士が求められているかを現場においてしっかりと捉えてきてください。また精神保健福祉士としてのアイデンティティを確立することも求められます。社会資源のひとつとしてどのような自分を用意することが必要であるか,また用意できるかを自己覚知を通して十分に吟味してください。 実習においては,これまで経験したことのない場面に遭遇することもしばしばあることと思います。対象者から不安を打ち明けられたとき,動揺してしまっては客観的な判断ができません。また,思いをかけすぎるようなことがあっても冷静に必要な支援を考えることは難しくなります。適度な距離感を保つこと,常に自分を客観的に見つめるオブザービングセルフを意識することが実践の中では大切であると考えます。しかし,初めて体験する精神保健福祉の現場において,揺れないでいられることはほとんどないと思います。そうしたとき,「自分がなぜ揺れたのか」をしっかりと見つめて欲しいと思います。また,実習指導者からのスーパービジョンを受けることもお勧めします。揺れることは決してマイナスではなく,そこから新しい学びが生まれると思います。大いに揺れてきてください。 実習では,利用者,その家族,実習指導者,その他の実習先の人々,他機関の専門職などさまざまなコミュニケーションの機会を体験することになります。精神保健福祉士の仕事は決して一人ではできないものですから,その中で,相手に合わせながらいかに柔軟に対応できるか,信頼関係を結ぶことができるか,さまざまなネットワークを築くことができるかも大切なことになります。信頼を得るためにどのような自分が用意できますか? しっかりと実習までに用意してください。 テキストにおいて,実習の目標と達成課題として,制度の理解と活用の実際,対象者理解,配属先の機能と役割の理解,各専門職種の専門性と協働の理解,精神保健福祉士の援助活動の理論と実践の統合,他機関との連携の理解,自己理解などが挙げられています。このようなことを自分としてはどのような順序で,どのような場面で学びたいのか,計画案を作成する段階で吟味していくことになります。実習期間内ですべてを十分に理解し,体験することは多分難しいでしょう。そこで,自分が実習を通してもっとも学びたいことは何かを整理しておくことが必要となります。体験学習の中で学びきれなかったこと,十分に実行できずに課題として残ったことなどを元に準備を進めていただけると良いと思います。 精神障害者の方々の生活実態と真摯に向き合う中で,十分に学びを深めてきてほしいと思います。そして,実習で感じたさまざまな思いを職場に入ってからも失うことなく持ち続けてほしいと願っています。 |