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VOL.59 APRIL 2009

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[誌上入門講義] 修士論文指導
修士論文への道?レポートから論文へ?(その2「レポート」と「論文」)

教授 阿部 裕二

●前号では

 前号では,論文とは何かを考える前提として,あるいは論文作成の前提として「学習」と「学問」の違い,さらに,大学における「学問」の意味と奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】性について述べました。
 本号では,『修士論文への道?レポートから論文へ?』の「その2」として,レポートと比較しながら,「論文とは何か」について具体的に述べていきたいと思います。

●論文とは何か

 さて,皆さんは,いままでさまざまなレポートや論文(卒論など)を書かれてきたことと思います。これらを作成するときには,意味や内容の違いを意識したことがあるでしょうか。多くの方々は,あまり意識せずに作成してきたのではないでしょうか。
 「学んで問う=学問」姿勢から論文は始まると前号の最後に述べました。つまり,論文は「学んで問う」という視点から記述され,問うこと(問題提起)に対して答える(解決法など)という形式によって構成されているのです。作文や小説の場合は,形式にとらわれず自由な文章表現であっても何ら問題はありませんが,論文はこのような形式が問われるのです。
 さらに,「問い」に対しての答えは,論理的?実証的な論述が必要となります。感情の赴くままの記述は,決して論文とはいえず感想文やエッセイになってしまいます。論文においては,問い(問題提起)に対して論理的?実証的に述べていく作業が奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】なのであり,このことが読み手を説得することに繋がるのです。この説得のプロセスこそが論文の生命線ともいえます。

●レポートとは何か

 それに対して,レポートとは何でしょうか。論文とどのような違いがあるのでしょうか。実はレポートと論文は形式的にはほぼ同一のものといえるでしょう。それは,問いに対して答えるという問答形式をもつという意味で同一だからです。
 とはいえ,レポートはきわめてあいまいな側面ももっています。たとえば,「日本における高齢化について」という課題が提示されたとします。皆さんはこのテーマに対してどのようなことを書きますか。この場合,記述する内容は,日本の高齢化が急速に進んでいる現状を数字で示し(もちろん将来の予測もありです)説明してもよいでしょうし,極端に言えば,「日本の高齢化」に関することであれば,何を書いても題意に即した内容となり得るのです。つまり,「日本における高齢化について」というテーマのレポートは,主題が示されているだけで,「問い」の形式になっていません。したがって,このようなテーマを出題した教員は,レポート=論文とは考えていないことになります。
 ところが,「日本における高齢化がどのように社会保障制度へ影響を及ぼしたのかについて論じなさい」というテーマであれば,どうでしょうか。このようなテーマにおいては,レポートとはいえ論文としての形式が求められてきます。日本の高齢化は社会保障のどの分野に,どのような形で影響を与えたのかという問いを立て,それを論理的?実証的に答えることが要求されてくるのです。
 その際,このようなテーマをもつ資料に当たるとともに,先人の立てた問いと答え(先行研究)を整理しつつ,根拠を示しながら結論を導く必要があります。このように考えると,レポートと論文は,形式上はほぼ同一なものにみえてきます。この意味では,レポートも論文,あるいは論文の一種であるといえるのです。

●両者の似て非なる部分

 とはいえ,両者には決定的な違いがあります。お気づきでしょうか。ここでは2点について挙げてみます。
 一つめは目的の違いです。レポートは講義やテキストの理解度を図ることを主な目的としているのに対して,(本格的な?)論文では,自分の研究の独創性を論理的?実証的考察によって,読み手を説得させることを目的としています。大学ではよく筆記試験の代わりにレポート課題が提示されますが,このことはレポートのもつ特徴を物語っています。その意味では,提出するレポートには「独創性」までは求められていないのです。
 二つめは主体性の違いです。「日本の高齢化について」というように,レポートにはあらかじめテーマが与えられていますが,論文には,テーマやそこからの「問い」は設定されていません。つまり,皆さん一人ひとりがテーマや「問い」を設定することになります。自ら設定したテーマのもとで「問い」(「問題」と言い換えてもいいかも知れません)を立て(序論),それについて論理的?実証的に論述を展開し(本論),最後に,はじめに立てた「問い」に答えを与える(結論)ことが論文として奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】な枠組であり,作業となるのです。このように,論文にとっては,テーマや「問い」を自分自身で発見するという主体的な取り組みが大変奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】な視点となるのです。

●「その2」のまとめと次号の予告

 『修士論文への道?レポートから論文へ?』「その2」では,レポートと比較しながら「論文とは何か」について具体的に考えてみました。今回の留意すべきポイントは,論文にとって「自分の研究の独創性を論理的?実証的考察によって相手を説得する」ことと,「自らテーマや問いを立てる主体的取り組み」が奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】であるということでした。
 そのなかでも,まず論文(修士論文)を作成する際の第一歩は,言うまでもなく,テーマを決め「問い」を立てることです。この作業こそが,論文作成の具体的な出発点といえるのです。それでは,どのようにしてテーマや「問い」を見つければよいのでしょうか。この点に関しては,「次号」で述べてきたいと思います(^^)/

(未完)

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