【教員メッセージ?卒業者アンケートより】
3月卒業者 アンケート結果
平成22年3月に本学通信教育部を卒業された228名を対象にアンケート調査を実施しました。4月18日現在142名(回収率62.3%)の方からいただいた回答の集計結果の概要は下記のとおりです。卒業されるまでに「どのように学習に取り組まれたのか」等,学習方法を中心にご紹介します。是非これからの学習の参考としてください。
次号でも引き続き実習等についてのアンケートや学習上の工夫なども公表予定です。
問1 在学中?卒業後「卒業?資格?学んだこと」をいかして転職?就職を行ったか(予定も含む) N(回答の総数)=176(延べ)
問2 学習に対してどのように取り組んだか N=142
問3 学習計画を作成?活用したか N=142
注:回答項目?実数?%(以下の円グラフも同様)
◆どのように学習計画を作成し活用したか(具体的内容)(抜粋)
- 在学一年目に,全ての科目を何年目に履修し,スクーリングには何単位分出席するのか等を決めた。一覧表にしてレポートや科目修了試験,スクーリングの欄を作り,クリアした部分は色を変えてチェックし,卒業までに取得すべき科目の中で,自分がどの程度すすんでいるのか分かるようにした。
- 年間計画を年度初めに立て,長くかかっても1週間に1単位のレポートを仕上げるようにした。
- スクーリング受講科目は先ず受講し,それに合わせ近い図書館から参考文献を借り,返却日までにレポートを仕上げる。パソコンに科目修了試験?レポートの一覧表を作成した。
問4 1回の学習にかける時間 N=114
問5 どのくらいの頻度で学習したか N=137
問6 普段どこで学習したか N=236(延べ)
◆具体的な学習の様子(抜粋)
- 不規則な勤務の仕事をしていたので,体調のよい時は家に帰ってすぐ。休日は,午前,午後の予定として勉強した。
- 平日は,マックで図書館があく時間まで学習して,土日は子どもがいるので,夜中学習した。
- 家事が片付いてから,夜20:00から24:00までの4時間は勉強の時間と決めていた。しかし,あくまで予定であり,用事がはいったりと予定どおりに進まないことがわかっていたので,演習I,実習等までに単位は絶対取ると決めて集中してレポートを提出した。
- レポートを書き出すと,例えば土日なら,朝9:30~11:30,午後13:30~17:30,夜19:30~24:00くらいまでで一気に書く。それ以外は,通勤電車の中で毎日20分の読書(教科書)。
- (1)家事が片付いてから毎日就寝前に夜22:00~24:00頃までの2~3時間。(2)休日の午後からの時間の許す限り勉強を行なった。(3)仕事のお昼休みのときも科目修了試験が近いときはする。
- 文献検索を兼ね図書館に通い,気分転換に心理学とは別の種の本を読むことができ,落ち着いて勉強できた。また,パソコンも使える場所を選んだため,能率が上がったと思う。
- 自分の机に資料を思う存分を広げて,集中して取り組んだ。夜遅い時間が頭がさえて勉強がはかどった。
問7 学習をしていて辛かったこと(抜粋)
- モチベーションの維持,仲間がいないこと,仲間がいないため自分の学力の程度や学習の進度がわからないこと。
- 実習日誌,演習に向けての単位取得。
- 家事,仕事,子どものこと,すべてを行ってから勉強時間を確保する。これは至難の業でした。毎日が眠気との戦いでした。レポートが不可になった時はショックが大きかった。
- レポートが思うように進まず,山のようになったレポート用紙を見てため息がでることがあった。
- レポートが,スクーリングを多く受けると,その後たまること。
問8 学習をしていて辛かったことをどのように克服したか(抜粋)
- まったくやる気が出ないときは勉強しない。レポート期限など,どうしてもやらなければならなくなればやるようになるため,あまり自分を追い込まない。何があっても絶対に辞めないと決めること。
- mixi(ミクシー:インターネットを使ったソーシャル?ネットワーキング?サイト(SNS)の一つ)のコミュ(コミュニティ)でOKがでた人にアドバイスや励ましをもらって何回も書いた。
- (1)レポートをスクーリングの学びを覚えているうちに出すこと。(2)1本ずつ終わらせることが卒業につながると毎日自分に言い聞かせていたこと。
- 木村先生の一言「急いで卒業することはない。色々なことに興味を示し,じっくり勉強して卒業しなさい。これが,これからの人生に役立つから。」と!! 木村先生ありがとうございました。
- 近所にある心理系に強い大学の図書館でひたすら文献を読んだ。
問9 学習をしていて辛かったことをどうすれば対処?回避できたと思うか(抜粋)
- 仕事をもちながらの勉強はとにかく計画に沿って自分でやり抜くしかない。一つ一つの着実な積み重ねであると思う。また,学友と情報交換も密に行った。孤独に勉強しないこと。
- とにかく机に座る“座力”をつけること。そして図書館にまめに通うことで,良い参考文献を見つけることができる。
問10 学習をして楽しかったこと(抜粋)
- レポートを書き続けることで,文章力がついていることを実感した。2000文字のレポートは,まったく苦ではなくなり,スラスラ書けることがとても嬉しく楽しかった。
- スクーリング授業で,気づきがあったこと。テキストを読んでいるだけでは気にも止めなかったことが,実際の授業で“はっ”とすることがあった。
- スクーリング時に様々な人々と出会い,意見交換などで常に刺激をうけることができたこと。難しい中にもとても身近で役立つ内容を発見することができたこと。
- 1つの事象に対して,“こういう見方や考え方があるのか”という新鮮な発見があり,学ぶことを楽しく感じました。また,レポートが戻ってくると,先生からのアドバイス?評価を見て励みとし,スクーリングに参加することで学びを深めることができたように思います。
- スクーリングで先生の講義を聴いたこと。とても楽しく,勉強は本当におもしろいと思いました。また,スクーリングで知り合った方とコミュニケーションをとること。とても参考になり,いろいろな人生経験が聞けてためになりました。
- 福祉心理学科なので,大学入学以前に私自身が「人」に対し感じたり,考えていた事柄が,単なるフィーリングではなくて「理論」で裏付けられたと感じる機会が多かったので,その確信に出会うことが楽しかった。また,多くの講師の中でも,教えることを楽しんでいる師に出逢えた時は,こちらも学びが楽しく貴重なものに思え,さらに教えを受けてみたいと感じた。また,図書館における文献探しが楽しかった。参考文献として示されていないもので,内容が私の探し求めていたものにはまった時のうれしさは,学習の楽しさであった。
- 日常生活の行動が心理学に裏づけされていたこと。特に社会心理学は興味をそそられた。
- (1)少しずつだが単位が積み上がっていくこと。(2)スクーリングの後,生徒や教授と夕食をしたこと。(3)同県の人と集会ができたこと。(4)スクーリングで障害のある方と話ができたこと。
問11 スクーリング,レポート学習で印象に残ったこと(抜粋)
- 福祉心理学のスクーリングは,高齢者介護の仕事をしている自分に,高齢者観を改めて気づかせてくれるものでした。今でも時々その時のスクーリングのノートを読み返しています。
- レポート添削で,学生の性格を見ぬいて指摘された先生がいました。当然学生としてやるべきことなのですが,文章を推敲することの大切さを教えられました。簡単なコメントで「優」をもらうより,身にしみる通信教育を体験したことが印象に残っています。
- 最も印象深かったのは,介護概論と児童福祉論のスクーリングです。介護概論では介護現場の壮絶な様子に圧倒され,しかしその中で,いかに自分自身を冷静に保つか,など学ぶところは多かった。児童福祉論では社会のひずみが児童など弱い人に与える影響の大きさを学んだ。普段自分が何気なく行なっている行動が虐待になる(ことがある)ということに気付かされ,大きな衝撃を受けた。
- 「社会福祉原論」は自らの生きてきた時間の振り返りと共に,今後どのように自分が社会の一員として生きていくのかを考える良い機会であった。子育て世代,また自ら病気を抱える中で時間が短くても学習を続け,仕事ができるようになったら,学んだことを活かしていきたいと強く思う。職業が直接社会福祉に関わるものでなくても,どこかで繋がっていると考えるようになった。
- 「障害児の心理」のスクーリングで印象に残ったこと,「障害を持つ,持たないに関わらず,子どもは発達する存在であり,人間は心を持つ動物であるということを基本として,相手を理解しようとしている。障害というものは発達にとって障害となるものであるかもしれないが,それを乗り越えて子どもは発達していく」という木村先生の障害児の理解。
- 「特講」?「心理療法」は実技があって楽しく学べ,仲間づくりにもつながった。心理学研究や心理学実験で翌日提出レポートを仕上げることを覚えてから,レポートがスムーズに書けるようになりました。
- 全て印象に残っていますが,私自身が目指している「スクールカウンセリング」のスクーリングはとても思い出深いです。一人ひとりの疑問に熱心に耳を傾ける姿勢がとても心に残っています。心理臨床家としてのあり方のような感がしました。
- 「社会心理学」のスクーリングで学んだ内容は,全て興味深く印象に残っています。スクーリングの配付資料の中に付いていたジンバルドーの「だまされないための20条」のようなものは,なるほどなるほどと思うようなものばかりで,自分の気持ちが不安定になった時など,今も時々読み返してモチベーションをあげています。
- 入学して最初のスクーリングが木村先生の「生涯発達心理学」であったが「種をまいて早く芽を出させようと肥料をいっぱい与えても,芽はその時期が来なければ出ない」とおっしゃった。孫にはその気持ちで接するつもりだ。また「年老いてから,老後は何をしようでは遅い。老後は,今から,若いうちから準備するものである。」ともおっしゃった。その時,本当に大学に入学してよかった。勉強は楽しいものだと思った。
- 「社会福祉原論」の田中先生の授業は良かった。あんなに感動した授業は受けたことがない。この大学で学べたことを本当に良かったと思った。
- 千葉先生の「児童福祉論」。温かくて楽しくて,他のことを考える時間が一切ない講義でした。生涯発達心理学の視点が私の価値観を一変させました。「人は死ぬ迄発達し続ける存在」であるなら,その直前迄その人らしく成長できるよう援助していかなければなりません……。それが可能な職業なのですから,私のみならず他のスタッフと共有していけるよう,これから働きかけていきたいと思います。
- 「福祉心理学」?「福祉社会学」のスクーリングでの先生方のお言葉が印象的でした。福祉を基本に心理学を学ぶことができて良かったと思います。
- 「社会福祉原論」のスクーリングの内容に「相手を理解するというのは“相手の立場になる”という答えは,まだ上からその人を見ているということ。その人に“教えていただく”という謙虚な気持ちを持つこと。」とあった。私の意識が変化した瞬間でした。
- 「社会福祉原論」では“自らの社会福祉観”について“自分”を見つめ直しながら深く考えることができた。これから社会福祉の現場(実践)において自らが根底に据えるべきものが明確となった気がします。
- 「児童福祉論」(千葉先生)のスクーリングが,とてもよかった。テキストだけではなく,多面的なデータやビデオで幅広く学習できた。
- 「演習I」の時,川口先生のご指導のもと,仲間とバラバラのパズルを完成させるゲームは,実は自分は自己中心的で,ソーシャルワーカーの心に欠けていることに気付かされた。
- 「バレーボール」にて友人ができ,継続するための大きな力となりました。
- どの先生のスクーリングでもとてもよい刺激を受けながら学ぶことができましたが,特に,実習前の仙台での「事前指導」スクーリングにおいて,中里先生の講義を受けることができたのは非常に良い経験になりました。今後の社会福祉への関わり方に非常に影響を受けました。
- 多くのスクーリングに参加し,先生方のお話(現場での経験談等)をうかがうことが出来,それぞれに興味深いものがありました。
- 個人の尊重(憲法第25条)=人はみな1人1人違っている。だからこそ尊い。そしてだからこそ,それぞれのないものを補い合ってともに生きなくてはならない。「ともに生きる」この言葉は憲法にもとづいたものであるという菅原先生のお話は,今も頭に残っています。
- 「理解する(相手を)」とは「アンダースタンド」=下に立つということ。福祉に関わる人の持つべき視点を田中先生は教えて下さいました。
- 「精神保健福祉論」での「生活のしづらさ」,精神保健福祉援助実習での「自己覚知」。
- 「福祉社会学」のスクーリングで,今の社会福祉の現状を知り参考になった。先生ご自身が,福祉はきれい事ではなくて,ホームレスの人々の中に入っていったお話に感動しました。さらに,ベトナムでの子供たちのお話しで,人間の幸せとは何か,考えさせられました。
問12 通信教育部の学習を通じて何が得られたか N=595(延べ)
問13 テキストをどのように読んだか N=142
◆テキストの読み方で特に工夫していたこと(抜粋)
- マーカーをつけながら,意味のわからない用語は辞書で調べてその内容を付け加えておく。
- 『レポート課題集』にある先生方のアドバイスをメモに抜き書きし,それに対する自分の答えを付けていくような感じで,テキストから主要部分を抜き出したり,キーワードを調べたりした。
問14 1単位分(1課題)のレポート作成に要した時間 N=140
問15 「レポート学習」について在学生へのアドバイス(抜粋)
- レポートが書けない方の多くは,頭の中で自分の考えがまとまっていないのだと思います。レポート課題に対し,自分は一番に何を伝えたいのか明確にすることで,文章の曖昧さもなくなり皆さんらしいレポートが完成すると思います。
- 参考文献を数種類読むことで,多方面から考察でき,視野を広げ,取り組むことができると思います。
- 完璧を求めず,自分なりにまとめたものを先生にみていただくと考え,とりあえず提出してみること。その繰り返しでレポートを書くコツがつかめてくると思う。
- 書き慣れてくると「書き方」を覚えて中身が身につかなくなることも多いので,大変でも時間をかけて自分の頭で考え,自分の言葉で書き上げていけるようがんばってほしい。
- (1)良いものを書こうと気負い過ぎると書けなくなってしまいます。
(2)構成を考えて書かないと途中で行き詰まります。
(3)何を求められているのか(自分の考えを述べるのか,まとめるのかなど)課題を何度も読んで確認しましょう。
- 予定をしっかり立てて行うことが必要,自分に妥協してはならない。
再提出を恐れずに出すしかないと思う。また,レポートの書き方や教員からのアドバイスを何度も読み返していると,新しい発見もあると思った。
- できるだけ知識があるうちに作成することで,次の課題もスムーズになるので,毎日少しずつでも目を通すとよいと思います。
- まず,書いてみることです。第1歩をスタートさせることです。
やる気がわいた時にやればいいです。あとは,スクーリングや科目修了試験にあわせて行うこと。全部をしっかりやろうと気負うと頑張れなくなるので,集中して1単位分を一気に済ませる方がいいです。
- レポート,単位,と肩に力を入れずに教科書?参考文献をまとめて,先生に報告する書類という気持ちでレポートを作成してきたような気がします。
- 自分のやる気次第だと思う。
- 文章を書きながら,考えはまとまり,深まる。時々,論点がズレていないか原点(課題)にしばしば戻る。
- レポートが書けなくなった時は,『自立学習の手引き 読む?書く?問う』を読んだ。そして,教科書を写すだけでもいいから,とにかくノートに書く行為をした。
- とにかく書き始めることです。はじめなければ終わらないからです。上手く書こうとしない方が書けます。
◇以上,ご協力に御礼申しあげますとともに,卒業生皆様の益々のご活躍?ご健闘を祈念いたします。
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