2020/09/17 教育学科
教育コラム:巨大手書きパッドを利用すると数式が簡単に書ける
初等教育専攻 准教授 山下祐一郎
私は「物理学の基礎」という授業を持っています。この授業は、文字通り物理学の基礎を教える授業になります。私が考える物理学の面白さは、自然現象を一般化できるところにあります。一般化とは、あるできごとを概念などの形で定式化することです。簡単に言えば、一般化の方法のひとつは、数式で表すということになります。例えば、物体が重力に引っ張られて落下するという現象を考えてみましょう。この現象を一般化するためには、落下という現象を条件を変えながら繰り返し観察します。つまり、実験を行うということですね。実験では、落下する物体の質量を変えてみたり、高さを変えてみたりなど条件を変えながらデータを集めます。たくさんのデータが集まれば、このデータが整合する数式を作ることができます。言葉では簡単ですが、実際にこれを行うのはとても大変です。先人の業績は大変なものだと思います。現代では、落下の公式は 「(落下中の速度)=(落下開始の速度)+ (重力が生じさせる加速度)×(落下時間)」という形で良く知られています。このように、物理と数式は密接に関わっています。
2020年度前期からオンライン授業が開始になり、とても困ったことが生じました。それは、数式を含む動画の作成がすごく大変ということです。オンライン授業の動画を作るために、パワーポイントでスライドを作成し、そこに音声を入れる方法があります。私も最初はこの方法で動画を作っていました。しかし、パワーポイントで数式を表示するのは、手順が多く手間がかかります。ちなみに「(落下中の速度)=(落下開始の速度)+ (重力が生じさせる加速度)×(落下時間)」は、物理の授業では、v = v0 + gt という形で表します。v0は、0を小さくする必要があります。もちろん、1つや2つの数式であれば問題ないのですが、数式の数が増えると大変です。インテグラルやシグマなどの記号が必要になる場合は、特に大変です。そのため、数式の数を減らす為に、式を変形する途中経過を省くようになりました。このことは、数学があまり得意でない学生にとっては、わかりにくくなってしまったようです。そこで、次に、タブレットPCとペンを用いることにしました。タブレットPCは手書きパッドとして手書きの入力ができます。そのため、数式の記述が簡単にできます。このタブレットPCの導入によって、数式を含んだ動画の作成が格段に楽になりました。しかし、改善したいと感じることがありました。まず、小さな文字が書きにくく、やや大きな文字を書かなければならないことです。次に、話しながらタブレットPCに文字を書くことは、私はやりづらいと感じました。
これらの点を改善するために、後期から巨大手書きパッドの利用を決めました。後期は算数概論という数式を利用する授業があります。巨大手書きパッドを用いて動画を作成し、この授業で活かしたいと思います。私が利用を予定している巨大手書きパッドは、Jamboardという製品です。練習として、Jamboardを使って1コマ分の授業動画を作成してみました。図1にJamboardを使っている様子を掲載します。jamboardのおよその大きさが伝わると思います。使用感は、通常の授業の実施と近い感覚で利用することができたと思います。この理由は、Jamboardの大きさにあります。巨大な手書きパッドですので、意識して小さい文字を書く必要はありません。さらに、立ちながら板書をし、説明をする形態は通常授業と同じです。ちなみに、通常の授業では学生に向かって話すのですが、動画の作成時には学生がおりません。その代わりに、カメラの先に学生がいると意識して、カメラを向いて話すようにしました。また、図2にペンを示します。ペンの隣にあるのは黒板消しです。この黒板消しで画面をこすると、その部分の文字が消えます。タブレットPCの多くは、ペンで消しゴムマークをタップして、その後、ペンで擦って消すものが多いと思います。このような方法と異なり、消しゴムマークをタップする必要が無いのは、便利に感じました。最後に、図3に学生がこの手書きパッドの文字を閲覧した画面を示します。なお、jamboardは国見キャンパス演習室4やステーションキャンパスなどに設置されています。
2020年度前期からオンライン授業が開始になり、とても困ったことが生じました。それは、数式を含む動画の作成がすごく大変ということです。オンライン授業の動画を作るために、パワーポイントでスライドを作成し、そこに音声を入れる方法があります。私も最初はこの方法で動画を作っていました。しかし、パワーポイントで数式を表示するのは、手順が多く手間がかかります。ちなみに「(落下中の速度)=(落下開始の速度)+ (重力が生じさせる加速度)×(落下時間)」は、物理の授業では、v = v0 + gt という形で表します。v0は、0を小さくする必要があります。もちろん、1つや2つの数式であれば問題ないのですが、数式の数が増えると大変です。インテグラルやシグマなどの記号が必要になる場合は、特に大変です。そのため、数式の数を減らす為に、式を変形する途中経過を省くようになりました。このことは、数学があまり得意でない学生にとっては、わかりにくくなってしまったようです。そこで、次に、タブレットPCとペンを用いることにしました。タブレットPCは手書きパッドとして手書きの入力ができます。そのため、数式の記述が簡単にできます。このタブレットPCの導入によって、数式を含んだ動画の作成が格段に楽になりました。しかし、改善したいと感じることがありました。まず、小さな文字が書きにくく、やや大きな文字を書かなければならないことです。次に、話しながらタブレットPCに文字を書くことは、私はやりづらいと感じました。
これらの点を改善するために、後期から巨大手書きパッドの利用を決めました。後期は算数概論という数式を利用する授業があります。巨大手書きパッドを用いて動画を作成し、この授業で活かしたいと思います。私が利用を予定している巨大手書きパッドは、Jamboardという製品です。練習として、Jamboardを使って1コマ分の授業動画を作成してみました。図1にJamboardを使っている様子を掲載します。jamboardのおよその大きさが伝わると思います。使用感は、通常の授業の実施と近い感覚で利用することができたと思います。この理由は、Jamboardの大きさにあります。巨大な手書きパッドですので、意識して小さい文字を書く必要はありません。さらに、立ちながら板書をし、説明をする形態は通常授業と同じです。ちなみに、通常の授業では学生に向かって話すのですが、動画の作成時には学生がおりません。その代わりに、カメラの先に学生がいると意識して、カメラを向いて話すようにしました。また、図2にペンを示します。ペンの隣にあるのは黒板消しです。この黒板消しで画面をこすると、その部分の文字が消えます。タブレットPCの多くは、ペンで消しゴムマークをタップして、その後、ペンで擦って消すものが多いと思います。このような方法と異なり、消しゴムマークをタップする必要が無いのは、便利に感じました。最後に、図3に学生がこの手書きパッドの文字を閲覧した画面を示します。なお、jamboardは国見キャンパス演習室4やステーションキャンパスなどに設置されています。
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