【通信制大学院コーナー】
平成16年度通信制大学院修了者からのメッセージ2
さまざまな出会いと学びの方法
社会福祉学専攻 Y.K.
1. 通信制大学院で学んだ2年間で印象に残ったこと,大変だったこと
- ひたすら書物を読み(異なった分野の書物が手がかりを与えてくれることもあるので,ジャンルを問わないで目に付いたことから読むことも大事),疑問な点や知りたい点についてさらに書物を手がかりにして知ること。
- それをレポートにする場合の方法として,何日か頭の中で構成をたて,それでよいかを温めていくことや,述べていくことや述べないことをイメージして分かっていくこと。
- それをレポートにするが,そのときの気分次第で論点がそれてしまう場合があるので,冷静に論点を頭におきながら,考えていて,加えることや軌道修正をしながら行うこと。
- その後何日かを読み直しに当て,修正や改善がでてくるまで待つこと。ただし読み直す場合には,感情をさら(なくする)にし,あくまでも論旨が明確であるか,それから派生している問題点を指摘しているか,自分の反省点を中心に表現しているかについて考えていくこと。
- 何日か1通のレポートに時間を割くようになるので,2通目などはあくまでも取り掛かりを早めにしていくことが必要となること。
2. 修士論文に際しての印象や苦労について
- 論文を作成しはじめると,気持ちがどんどん変化するので,とにかく前へ前へ進めていること。この時点では無理にまとめについて考えなくてもよい。
- さまざまな変化をメモしながら,その過程を大切にしていくことで,新しい考えが生まれたり,気付かされたりすることで,新たな視点からみれるようになり,自分のこれまでの偏見をくつがえすような視点を得ることもある。
- 先生と話してみることで,自分の考えを整理できることがあるので,(1回で多くが整理できるのではなく,少しずつこまめにしか整理できないことから)何回も先生とこまめに会えることができればよかったと考える。通信制では難しいことだが,とても大切なことである。
3. 通信教育で学ぶ方々へのメッセージ
- ひたすら学習を進めることは,自分の時間を管理することであり,しかもそれを継続的に計画的に考えることができるようになることから,合理的に他の生活のことを考えるようになる。
- レポートについて添削してもらえることで,失敗してもまたやり直す意欲が持て,粘り強い精神力がついてくる。
- 主体的に考える時間を多く持てること(暇だから考えるのではなく,時間がないからあえて考えるものであり,「暇があるから考える」という理由ではない)から,精神的ストレスと上手く付き合い,心的コントロールも可能となる。
- 身につく学習を認識しながら,精神的にゆとりを持ちながら忠実に進められる点に納得ができ,その充実感から自覚や認識を増やせる。
4. 包括的な学び方
大学院とは,人生のいろいろな問題や課題について深く考え,議論し,また考え,修正し,反省し,やり直すことが数多くある営みを,主体的に考えながら自分を修復していけるところだと思っている。
その方法の一つとして,論文を通して自分を整理し直す作業となったことで,また自分のつまらない(努力するにはきりがない,これっぽっちの人生であり,何かに耐えながらもあるいは食べていけることで十分)人生の中に何か一つの蓄積を加え,明確ではないが魂の何かが変化していることに遭遇し,それを実感している。そしてその事に他の人々に感謝することが大事なことだけは今のところ明確にわかっている。皆さん,ありがとう。
5. 結論
そこで「学び」を言語表現で言いかえれば,
- 人間いつでも自分を作り直すことが可能である。
- そのことに気付いて,いつからでもやり直せばよいことではあるまいか。
- 自分の希望を確実に実践していくことは,自分作りとなる理論に出会える機会を得るということではないだろうか。