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VOL.28 JUNE 2005

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ヘルプマン! 講談社イブニングKC

 福祉のことを学ぶ際には,利用者や家族,施設の具体例を知っておいた方が理解しやすくなります。今回紹介する『ヘルプマン!』(現在3巻まで刊行中)は高齢者福祉,とくに認知症(痴呆)介護をテーマにしたマンガですが,現場をイメージするのによいかと思います。1巻は施設介護,2巻は在宅介護,3巻は家族介護をとりあげています。おもしろい,と思った箇所を紹介します。

  1. トイレや入浴を嫌がる認知症高齢者を,プライドを傷つけないようにしたり,何かに集中させたりして,どういうふうに誘導していくか(1巻7?9?10話 3巻31話)。
  2. 認知症高齢者だって「いい思いができねェんなら生きてる甲斐がない」と福祉現場で働きはじめた主人公がすったもんだの末に「キモチがいいわ! こんないいキモチは久しぶり!」と担当した高齢者に言わせるシーン(1巻5?10話)。人間は「気持ちいい」と感じないとなかなか動かない,ということは木村進先生がスクーリングでも話されていました。
  3. 介護は考えないとできない(「考える杖」)。認知症高齢者が「しようとしていることを感じ取って手を添えるのが介護」。問題行動をやめさせようと無理してもダメで,「ちょっとしたストレスでも取り去ってあげると問題行動がぐっと減ることがある」(2巻17?18話)。子育ても同じでしょうか。
  4. 親の介護をしている男性が虐待に走りながらも,状況がおかしいからと何度も気遣ってくれる友人の申し出を断ってしまうこと(3巻27?29?30話)。
  5. 虐待を受け続けるなど生きる意欲を失うような事態に陥ると,投げ遣りな生活態度,自虐的な行動をするようになること(自己虐待 セルフ?ネグレクト)(3巻31話)。

 3巻では高齢者虐待の問題が扱われています。虐待については,小林篤子著『高齢者虐待』(中公新書,2004年)も『ヘルプマン!』と合わせ読むと理解が深まります。
 なお,『学習の手引き2005』p.205にも,福祉の現実について知るための小説やマンガ?映画などが紹介されていますので,現場を知らない方はご活用ください。学生さんからも何かよい本があればご紹介ください。

(Pon)

■くさか里樹著 『ヘルプマン!』 講談社イブニングKC,2004-2005年 定価各巻540円

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