【冬期スクーリングIV?Vのご案内】
スクーリング講義概要
ビデオ?スクーリングの講義概要は,『試験?スクーリング 情報ブック2007』p.51?58をご覧ください。
観光と文化 安藤 直子
皆さんにとって,これまで観光は「スル」ものであり,皆さんは多くの場合,観光地に出かける側に位置していたはずです。しかし,この授業では立場を変えて,観光客を受け入れる社会の側から観光地で起きていることを眺めた場合,どのように物事が違って見えてくるのかを考えます。
さらに,観光地で起こる出来事の分析を通して,地域内部で生じる文化的な葛藤や権力作用,アイデンティティの問題など,社会的?文化的な問題を読み解くことに挑戦し,観光人類学の視点から現代社会を分析する力を身につけることを目指します。
スクーリング当日までに,旅行代理店や駅で配布されている観光パンフレットを1人10部程度集めてください。旅行先や種類にはこだわりません。好きなパンフレットをできるだけ多く集めて,スクーリング初日に持参してください。
障害者福祉論 阿部 正孝
障害者の生活では,その援助に医療,保健,福祉,教育などの分野が包括的にかかわってきます。スクーリングの前半では,そのような領域の中で福祉的援助が有機的に実働するために修得すべき知識や考え方を,障害者の理解と援助に関する内容を中心に解説します。これをもとに,後半では,障害者福祉を実践していく上で必要な知識や技法,ならびにその実際を解説します。
介護概論 後藤 美恵子
本講義では,社会福祉の基本理念を踏まえた上で,人としての尊厳を重視した生活支援のあり方についての理解を深めることを主眼におきます。授業は,講義形式と実技演習形式で構成されます。
〈講義〉
(1) 生活支援における介護の目標,役割,機能および,介護の実践性と職業倫理についての理解
(2) 生活支援を展開する上での専門職としての基本的知識?専門技術の理解
〈実技演習〉
(1) 介護実践技術の基本目標,介護観についての理解
(2) 生活支援の展開における基本介護の意義,理論的背景に基づいた介護技術の理解
実技演習では,介護技術の実際を授業展開しますので,活動できる服装できてください。また,「介護概論」テキストでは,あまり触れられていませんので,「介護技術」に関する関連文献を読まれてスクーリングに臨まれれば,より理解が深まると思います。
心理療法 秋田 恭子
心理療法を講義だけで理解していただくのは難しいことですが,
(1) 心理療法の基本的な進め方(アセスメント?契約?面接構造?面接過程)についての講義
(2) 様々な心理療法についての講義
(3) 面接場面を映したビデオを通しての学習
(4) 受講者の皆様に実際に面接を体験してもらう
の4点をスクーリング中に行いたいと思います。
福祉と生活 八巻 幹夫
生活とは生存のための消費と生産の絶え間ない活動を指すが,この科目では,昭和20年以降のわが国の生活(暮らし)の有りようとその変化から,現代生活のしくみと福祉が生活にどのように関与しているかを学ぶことにしたい。スクーリングでは,わが国の衣食住文化の変化等をパワーポイントを活用し,わかりやすい講義にしたい。当日はテキスト(現代生活論)を使用します。
家族法 渡辺 信英?菅原 好秀
少子?高齢化社会を迎えるわが国において,子どもの人権といった問題から,家族?親族間の高齢者における介護?扶養といった問題は,身近な問題といえます。福祉の実務においては,例えば認知症である利用者の財産管理はどのように対処したらいいのでしょうか。虐待を繰り返している両親に対して,子どもの救済を図るためにはどのようにしたらいいのでしょうか。遺産を相続するにあたって,親族間でトラブルが生じた場合にはどのようにしたらいいのでしょうか。経験や勘で対応するのではなく,福祉の現場において,最低限の法律の知識に基づいてアドバイスができる人材が現在求められています。
講義では,家族の新しいあり方と法の関係について現状を認識し,現代の問題点を把握し,よりよく快適な生活を享受し,安心して老後を送るためにはどのようにすべきなのかについて,具体的に学んでいきます。
心理学研究法II 木村 進?白井秀明?中村 修?佐藤俊人
スクーリングにおいては,検査法の実習と調査法のデータ分析(心理統計)の実習を行う。受講生の人数によるが,1日目の最初の2コマが検査法実習,3コマ目が統計法についての講義,2日目の3コマを使ってデータ分析の実習を行う。実習はいくつかの小グループにわかれて行う。実習内容の概要は以下を予定している。
1. 検査法実習(2コマ:担当 木村 進 ほか)
(1) 検査法一般についての講義
(2) 性格検査(「谷田部ギルフォード性格検査」〈YG検査〉)の実施と結果の整理
2. 調査法(データ分析)実習(4コマ:担当 白井秀明 ほか)
(1) 心理統計学の基礎についての講義
(2) 統計的検定(x2検定,t検定,無相関検定)の基礎についての講義
(3) 統計的検定の課題実習
この科目の1単位めのレポートは,スクーリング期間中または3月21日(金)必着(3月卒業予定者は3月12日(水)必着)で提出することが求められます。受講生は『レポート課題集(1?2年次)』p.264?268,ならびに申込者に事前に送付される講義資料をよく読んできてください。
さらに,スクーリング事前学習として『レポート課題集(1?2年次)』p.265の(3)「要約レポート」が課されています。「要約レポート」はスクーリング初日に必ず持参してください(郵送しないこと)。
この科目の2単位めのレポートは,スクーリング受講後ならばいつでも提出できます。
●受講条件
スクーリング申込締切日(2月15日)までに福祉心理学科専門必修科目?選択科目A群いずれかの科目から7科目分のレポートを提出していること(心理学実験を含めても可?提出していれば不合格や未採点のものがあっても可)。くわしくは,『レポート課題集(1?2年次)』p.264参照のこと。
●3月の卒業希望者は,3月12日までに1?2単位めのレポートを提出してください。
児童青年心理学 西野 美佐子?中村 修
このスクーリングは「児童期?思春期」部分(西野美佐子先生担当?6コマ)と「青年期」部分(中村 修先生担当?6コマ)に分けて講義を行い,スクーリング試験も別々に行います。先に「児童期?思春期」から講義を行います。
■児童期?思春期
児童期は,小学校(6歳?12歳)の段階に当たる。講義の内容は,児童期の認知発達の特徴,学校における集団の中での友達関係のかかわり,特にギャング?エイジの喪失と,その後に続くシャム?グループやピア?グループへの影響について,集団を介した自己への気づき等に言及する予定である。また,発達加速度現象により,性的成熟の兆候は児童期後半からみられるようになった今日,子どもをめぐるメディア環境の変容の中で,どのような自己形成?自己認知をしているのだろうか。疾風怒涛の青年期の前の“無風地帯”と言われていた児童期?思春期について,受講生は自己の育ちを振り返りながら,児童期の子どもの発達の姿に迫ってみよう。
■青年期
「アイデンティティ」をキーワードに青年期とその前後の発達期の発達を概観していきます。「アイデンティティはどうやって形成されるのか」「アイデンティティはどうして必要なのか」など,「アイデンティティ」という概念一つとっても,そこから派生する疑問には限りがありません。参加なさる皆さんも,この概念「に関する」「にまつわる」「から展開される」疑問をもって授業に臨んでください。
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