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VOL.50 MARCH 2008

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[精神保健福祉士] 精神保健福祉士取得希望の皆様へ

通信教育部OB(精神保健福祉士) 兎澤 怜子

 私は一昨年,精神保健福祉士(以下PSW)を取得し,昨年の4月から精神科病院でPSWとして訪問看護の仕事をしています。今回,私の体験談をご紹介することになりました。少しでも学習のお役に立てればと思います。

 まず,学習についてですが,通信教育でのレポートや科目修了試験においては,教科書を繰り返し読むことが中心で,参考図書や友人との情報交換から知識を補いました。一人で学習していると,独りよがりになってしまい,題意を捉えることが困難な場合もあるため,他の人の学習テーマについての解釈の仕方や,勉強方法を知ることも必要だと思います。それでも,レポートの再提出が続いてしまった場合には,直接担当教諭にメールで質問し,丁寧に答えていただきました。
 それから,本学の通信教育の学生さんの中には,実際に福祉や医療に携わっている方もいらっしゃるので,現場についての話を聞いたり,実際に施設を見学させてもらうことも大変参考になります。

 実習においては,率直に言うと,PSWの仕事は一部しか知ることはできませんでしたが,実際に精神障害者の方々と接したことのなかった私にとっては,彼らが特別な人ではなく,細かい点で気を配ることは必要だということ以外は,いつも通りの接し方をすればよいことがわかったことは大きな収穫でした。また,病院と施設の両方で実習することにより,自分がどちらに適性があるかを判断し,その後の就職活動で的を絞り,結果的に自分が本当にやりたい仕事に就くことができました。それから,実習中に一番注意を払ったのは体調管理です。実習先へ迷惑をかけないことはもちろん,仕事をしながらの実習で,あらかじめ設定した期間で済ませなければならないため,とても大切なことでした。

 国家試験対策は,時間がなかったため,教科書を繰り返し読むことと,第1回試験からの過去問を,これも繰り返し解くことで対処し,過去問を解くことによって自分が苦手だとわかった分野については,ノートにまとめて覚えました。それらに加えて,試験の直前あたりまで行なっていた本学通信教育部主催の国試対策講座も受講しました。そのときの担当教員の阿部先生のおっしゃったポイントが実際に試験で出題されたので,受講をお勧めします。

 転職活動については,ハローワークと宮城県社会福祉協議会内の宮城県福祉人材センターに登録し,マメにインターネットで求人情報を閲覧していましたが,県内では精神保健福祉士の求人は滅多に上がってきませんでした。私の場合は結局,病院のホームページの職員募集を見て,面接を受けて入社することになったので,就職専門サイトだけではなく自分の希望する地域にある病院のホームページを時々チェックすること,また,周囲の人に転職希望中であることを話すなど,あらゆる手段を使わないと,今の時点ではなかなかPSWの仕事につくのは難しいかもしれません。しかし,PSWはこれから活躍する職種だと言われており,当院でもPSWの採用が毎年増えているため,これから徐々に求人が増えていくと思います。

 次に,現在の私の仕事についてご紹介したいと思います。
 私の勤める病院は精神科の単科病院になります。PSWは医療相談室,訪問看護,デイ?ナイトケアの各部署に配置されています。私の所属する訪問看護部門は看護師,作業療法士,精神保健福祉士のいずれかの資格を持つ6名のスタッフが配置されており,2人一組で通院患者さんのお宅を訪問します。通院患者さん全員が対象ではなく,主治医が必要と判断し,訪問看護処方箋を出した際に開始となります。訪問の頻度も主治医が指定しますが,患者さんが希望を出せば,多くの場合それに従います。訪問看護の目的は,基本的には服薬確認,精神状態?体調の把握,生活リズムの把握ですが,さらに患者さんに合わせて他にも設定します。問題が起きれば,外来部門(主治医,看護師)や医療相談室と話し合ったり,ケース会議を開いて,院外の機関(市,保健所,作業所,ヘルパー等)と連携して解決に向けての支援を考えます。

 最後になりますが,通信教育を受けていた頃から今に至るまで,私は多くの人に助けてもらっています。困ったときは,友人や先生,事務の方々に相談して,諦めそうになりながらもぎりぎりの綱渡り状態で何とかやって来られました。通信教育においては,学習は孤独になりがちですが,できるだけたくさんの人との交流を通じて,ぜひ国家試験合格をつかんでください。

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