【ひろば】
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●修士論文執筆におけるアンケート及びインタビュー協力に対する御礼と報告
総合福祉学研究科福祉心理学専攻修士課程福祉心理分野 F. K
[論題]
人生の意味と価値,一回限りの“私”を生きるということ
—「善く生きる」ことの心理学的探求?ナラティブ?アプローチの試み?—
昨夏の心理学実験のスクーリングにおきましては,実験レポート作成などでお忙しい中,またお疲れの中にもかかわらず,多くの方にご協力を頂きました。この度,無事に修士論文を書き終えることができました。質問紙調査及びインタビューに応じて下さった方々に誌面をお借りして,完成報告をさせて頂くとともに,改めて御礼申し上げます。
本研究は,量的研究と質的研究の二本立ての構成になっています。研究では,仮説検証型の実証主義的心理学研究における可能性と不可能性を追求し,質的研究の方法論を模索する共に,心理学研究をするにあたっての研究者自身の前提と問題意識の在り方を明確にすることを意図しました。さらに,「私とは何か」と問うことができる「私」というものの存在に注目し,人生の形而上的問題に対して心理学研究としてどこまで迫れるかという挑戦でもありました。それはまた,客観性を主張する際の正当性の在り処を慎重に見極めていくということでもあります。
とはいえ,今回は,研究者の力量ではまだまだ限界も多く,こうした主題を探索的に検討していくための糸口をつけたにすぎません。今後,同様の問題意識に立つ研究によって,多くの知見が重ねられ,さらに共通したイメージが作り上げられていくことが必要です。それが,質的研究の生命線でもあります。そして,いかなる研究においてもその研究者の持つあらゆる前提と,事象を前にして各々が立って観察している定点の置き所を何度でも問い直すことが必要でしょう。こうした積み重ねは,人間そのものの在り方を追求する心の理(ロゴス)としての心理学に課せられたひとつの課題でもあると思われます。
今後ともさらに研鑽を重ね,事象そのものに向かって心理学研究としての可能性に挑戦していきたいと考えています。この度は,本当にありがとうございました。
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