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VOL.51 MAY 2008

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【夏期スクーリングI?IIのご案内】

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【夏期スクーリングI?IIのご案内】

スクーリング講義概要

◆夏期スクーリングI

人間と教育 寺下 明

 教育を問うということは,何をどのように問うことなのだろうか。まず,教育は,歴史?社会?文化のすべての全体的な関連のなかで営まれる活動である。それゆえに,わたしたちは,教育あるいは人間とは何か,ということについて改めて問い直さなければならない。なぜ,人間にとって教育が必要なのか,人間にとって教育とは何か,講義を通じて考えてみたい。


児童福祉論 千葉 喜久也

 豊かな社会といわれる中で,悲惨な子ども虐待が増加し,少年犯罪の凶悪化やいじめの陰湿化,不登校児の増加等,子どもの問題は深刻化している。これらの子どもの問題は現代社会が生んだ病理現象の一つである。都市化,核家族化された現代社会の歪みが最も弱い子どもに向けられたものである。
 本講座では,こうした子どもを取り巻く社会現象の背景に迫りながら,児童福祉の制度やしくみについて学習する。そして児童福祉の新たな理念である「子ども家庭福祉」の潮流について理解を深める。なお,講義では実態の理解を図りながら,受講生が興味と関心をもって楽しく聴講できるようビデオなどを活用した授業を行う。また講義が一方的にならないよう受講生の感想や意見を吸い上げながら行う。テキストは中央法規発行のもの所持がのぞましい。


精神保健福祉論II 阿部 正孝

 精神障害は,その病をすることにより入院する率が高く入院期間が長い。退院した後の予後においても医療との結びつきが必要で日常の生活に大きく影響する。「疾病と障害を併せ持つ障害者の行動の特性や生活のしづらさとは何か」を事例で取り上げ,障害の構造や精神障害の特性を学ぶ。
 後半には援助の基本原則を解説し,事例から援助とは何かを受講生共々考えるスクーリングにしたい。


特講?社会福祉学I(介護保険と社会福祉士の課題) 佐々木 裕 彦

 『レポート課題集(1?2年)』p.272を参照ください。


教育心理学 白井 秀明

 各自の持つ「教育観」「発達観」を見つめ直していただきます。受け身的に話を聞くだけでなく,小学校のテストに答えたり工作したりと,頭や手をフル活動していただきます。お楽しみに! 講義内容は,次のように絞る予定です。
 (1) 教育と発達…教育とは,L.S.ヴィゴツキーとJ.ピアジェの発達論,ある発達障害児の例
 (2) 教授?学習過程…「教える」ということ,「学ぶ」ということ,動機づけ,無意味綴り学習と有意味綴り学習
 (3) 教育評価…目的活動における評価,教育評価の目的,方法
 できるだけ多く実践例をあげたいと思います。そして,「わかること」と同時に「わからなくなること」の“楽しさ(!?)”を感じていただけたら,そんな場になれば,と考えています。


文化財概論 梶原 洋

 我々を取り巻く環境として自然環境があるが,それと同時に歴史的環境の奔驰宝马游戏大厅_电子游戏APP下载-【唯一官网首页】性も今日徐々に認められてきた。その中心をなす「文化財」について,その内容,存在のかけがえのなさ,保護の歴史,今日の取り扱われ方,さらに現在と将来にわたる活用のあり方などについて学ぶ。


地域福祉論 小笠原 浩 一

 この講義では,「地域福祉」の目的,方法,政策的な位置づけなどについて学習する。また,「地域福祉」とは何かをめぐるこれまでの学説の流れや,日本の地域福祉と欧州のコミュニティ?ケアとの異同などについても検討することとする。
 内容は,(1)1970年代の「地域福祉」論の登場,(2)「コミュニティ?ケア論争」,(3)在宅サービス供給戦略?地域福祉計画と地域福祉論の展開,(4)住民参加型地域福祉論の登場,(5)専門的機能連携としての地域福祉,(6)基礎構造改革?介護保険制度?障害者自立支援法と地域福祉,(7)地域福祉の主体?方法,などである。
 上記内容の予習を行ってきてください。可能な方は,小笠原浩一?島津望『地域医療?介護のネットワーク構想』(千倉書房)をサブテキストとしてご準備ください。


先史考古学 梶原 洋

 19世紀半ばに成立した先史考古学について,なぜ19世紀に先史考古学が生まれたのか,どのような学問的背景や時代背景があったのか,それがどのように人類の歴史以前を探る学問として発展したのか,さらに今日どのような研究が行われているのかについて,学史的に振り返り,人類が自らの過去をどのように研究してきたのか学ぶ。

◆夏期スクーリングII

福祉法学 菅原 好秀

 福祉の現場では発生する多様な価値観の衝突に対して,迅速かつ的確な判断能力が必要です。その的確な判断能力を身につけるためには,社会福祉専門職としての法学的知識がどのような場面で,どの程度の活用ができるかという素養が必要となります。講義では社会福祉の対象となる市民に対しての単なる法学的知識を習得するにとどまらず,社会福祉サービスの対象の属性別(児童,高齢者,障害者など)にそれぞれの領域で専門職としてふさわしい法的思考能力の修得を目的とします。


社会心理学 吉田 綾乃

 社会心理学は,私達が日常生活の中で経験している,様々な「なぜ?」について,科学的に解明しようとする学問です。講義では,社会心理学者が行った興味深い研究を紹介しながら,人や集団の行動の理由について考えていきたいと思います。トピックとしては,対人認知,態度形成,援助行動,攻撃行動,集団行動などを取り上げる予定です。そして,講義を終えて皆さんが普段の生活に戻ったとき,“これは社会心理学でいうところの△△だ”と気づくことができるようになることを目指したいと思います。なお,専門用語の理解がある程度必要になりますので,必ず事前にテキスト(平成18年度以前のもの,19年度以降のもの,どちらでも可)を一度読んできてください。


障害児の指導法?知的障害教育 阿部 芳久

 テキスト『知的障害児の特別支援教育入門』の前半部を学習します。
1)知的障害児の特別支援教育の教育課程の構造について
2)領域?教科を合わせた指導」における指導形態とその実際の指導
 (1) 領域?教科をあわせた指導の概念とその教育的意義
 (2) 日常生活の指導のねらいとその内容
 (3) 日常生活の指導の展開
 (4) 遊びの指導のねらいとその内容
 (5) 遊びの指導の展開
 (6) 生活単元学習のねらい及び単元設定の視点
 (7) 生活単元学習の展開
 (8) 作業学習のねらい及び作業学習の選定の要件
 (9) 作業学習の展開
 「障害児の指導法」の履修者が,本スクーリングを受講するためには,「知的障害教育」(または「障害児の教育課程」)のテキスト『知的障害児の特別支援教育入門』(日本文化科学社)が必要です。各自で書店で購入するか,冊子版『レポート課題集2008(3?4年次)』巻末の教材申込書,および2,900円分の郵便小為替を同封して,通信教育部あて郵送でお申込みください。


障害児教育I?障害者教育総論 北岡 侃?荒川 圭介

 本講義は,障害者教育全般に関する基礎的なことについて,教科書,資料,ビデオを使って行います。各障害別に教育の歴史,障害の特性,教育の基本的特性,現状を中心に行います。
1日目
 (1) 視覚障害者教育の歴史,視覚障害者の特性
 (2) 視覚障害者教育の基本的特性,視覚障害者の指導
 (3) 聴覚障害者教育の歴史,聴覚障害者の特性
 (4) 聴覚障害者教育の基本的特性,聴覚障害者の指導
2日目
 (5) 知的障害者教育の歴史,知的障害者の特性
 (6) 知的障害者教育の基本的特性,知的障害者の指導
 (7) 肢体不自由者教育の歴史,肢体不自由者の特性
 (8) 肢体不自由者教育の基本的特性,肢体不自由者の指導
 (9) 病弱?身体虚弱者教育の歴史,病弱?身体虚弱者の特性と指導
3日目
 (10) 情緒障害者の特性と教育,言語障害者の特性と教育
 (11) 軽度発達障害者の特性と教育,特殊教育から特別支援教育への転換
 (12) スクーリング試験
 事前に,教科書(『特別支援教育概説』)をよく読んでおいてください。18年度以前の履修登録者は,19年度以降の上記教科書を持参ください。もっていない方は,書店で購入するか,通信教育部までお申込みください(冊子版『レポート課題集(3?4年次)』巻末「教材購入申込書」参照 交付価格2,100円)。


知的障害者の心理 大関 信隆

 本スクーリングでは,知覚や記憶,言語や学習,などの人間の知的機能を構成する側面について,その発達支援に関連の深いいくつかの基礎的研究例を取り上げながら,知能,そして知的機能の障害に関する理解を深めていきます。
 現場での発達支援に於いて,基礎研究の理解はややもすると些末な問題のように感じられるかもしれません。しかし実際の対象者を前にして,おおむね自身の判断で関わりのプランを立て,その効果を検証し,次に続く妥当な関わりを模索していく場合に,その判断の拠り所として基礎研究(先行研究)から得られる知見は,一つの大きな支えになります。本スクーリングを通して,ご自身の経験によりこれまで積み上げてきた知識?手法と,基礎研究からの知見との融合が図れればと思っています。
 加えて,発達援助に関わる他の心理学的考え方についても講義で扱います。指定の教科書の予習と併せて,心理学の概論部分に関しても眼を通しておいてください。


公的扶助論 阿部 裕二

 講義のテーマは,「豊かな社会における貧困の様相と生活保護の現状?課題」です。社会の基底的なセーフティ?ネットである生活保護の仕組みや現実は,豊かさのなかに潜在化し,十分に知られているとはいえません。しかし,貧困が私たちの生活上に直面する危険(リスク)の一つであるとすれば,貧困問題に対応する公的扶助(生活保護)は,年金や医療と同様に身近な制度ともいえるのです。そこで本講義においては,拡大しつつある貧困概念(様相)を踏まえながら,生活保護の考え方(目的,原理,原則など),制度の内容,そして現代社会における生活保護の課題について,受講生の皆さんとともに考えていきたいと思います。
 ※教科書をよく読んで出席してください。


障害者(児)教育実習の事前?事後指導 北岡 侃?阿部 芳久?荒川 圭介?庭野賀津子

 特別支援学校における教育実習は,特別支援学校教員免許状取得のための学習の一部である。しかし,別の面からすれば,これまで大学において履修してきた障害者(児)教育に関する理論や技術等を実際の場で活かし,確かめ,深める機会でもある。
 教育実習者は,学生の身分としての実習ではあるが,現実には特別支援学校の一教員と同様の勤務を行うものであり,教育者としての責任ある言動をもって実習に臨まなければならない。
 実習にあたっては,現場で戸惑うことのないように,事前に,障害者への接し方や学習指導案の作成のしかた等の最小限の必要事項を学び,確認しておく必要がある。また,終了後は,実習の成果を,“理論と実践”の統合の視点からまとめる必要がある。
1日目 
 (1) 聴覚障害者を主として指導する特別支援学校の理解
 (2) 知的障害者を主として指導する特別支援学校の理解
 (3) 肢体不自由者を主として指導する特別支援学校の理解
 (4) 病弱者を主として指導する特別支援学校の理解
 (5) 障害者の実態把握の方法
 (6) 実習ガイダンス
2日目 
 (7) 学習指導案の作成
 (8) 授業分析
 (9) 観察記録の書き方?実習日誌の書き方
 (10) 生徒指導?実習の心得
諸注意
 1)申込み締切日7月4日(金)の時点で
  ?旧法履修者=『レポート課題集2008(3?4年次)』p.128211?212
  ?新法履修者=『レポート課題集2008(3?4年次)』p.211?212
  の条件を満たしている方のみが受講できます。
 2)教科書『障害児教育実習の手引き』(7月18日発送予定)を事前に読んでおいてください。また,スクーリング当日必ず持参してください。
 3)事前指導スクーリング受講後8月22日必着(ただし実習を9月19日以前に開始する方は8月7日必着,実習を10月3日以前に開始する方は8月14日必着)の課題=『障害児教育実習の手引き』p.214?217の作成資料に基づき,指導案を作成することが必要です。
 4)交通機関の遅延(当日)が理由であろうとも遅刻?欠席すると,9月以降の実習の受講ができなくなりますので,余裕をもってご来校ください。


心理学実験III 木村 進?宇田川一夫?小林 愛?渡部 純夫

 大部分の受講生は,すでに「心理学実験I?II」を受講済であるはずなので,心理学における実験とはどういうものかについての認識はしっかりできていると思われる。「実験III」でも4つのテーマにしたがって実験を行う。「要求水準」「投影法」「コラージュ」および「家族のイメージ」の4課題である。それぞれの実験の目指すところについては,スクーリングにおいて説明するが,3年生における実験ということで,心理学研究における「実験法」の意味についてきちんと理解するとともに,それぞれの課題に取り組むことで,それぞれの実験内容が現実の生活経験や人間の姿とどう関連するかという視点から考えてみることが望まれる。
※筆記用具,定規,電卓,のり,ハサミを持参すること。コラージュの素材になるような雑誌,パンフレット,チラシ等も必ず持参すること。
●受講条件
 「心理学実験III」は,「心理学実験I」か「II」のいずれかがスクーリング受講済であれば受講できます。
●4つの実験レポートは,スクーリング期間内に提出することが望ましいが,やむを得ない場合は後日郵送でもかまわない(8月13日必着)。
 さらに,スクーリング終了後,単位認定レポートを12月24日必着で提出してもらう。
●9月末の卒業希望者は,8月末までに4つの実験レポート?単位認定レポート双方とも提出する必要がある。


社会保障論 阿部 裕二

 社会保障は比較的新しい概念ですが,今ではすっかり定着し,われわれの生活になくてはならない基礎的な社会制度に発展しています。しかし,皆さんはじっくりと「社会保障とは何か」について考えたことがあるでしょうか?
 本講義のテーマは「社会保障の考え方と仕組みを理解し,自分なりの『社会保障観』を構築しよう」です。わが国における社会保障は,少子?高齢化をはじめとするさまざまな環境の変化のなかで,構造的転換期を迎えています。その際,「私たちの生き方(価値観の転換)」も同時に問われています。そこで,講義ではこのような問題意識の下,社会保障の考え方や成立過程を考察しつつ,わが国の社会保障制度の現状と課題,そして少子高齢社会におけるあるべき生活保障システムを受講生の皆さんと共に考えていきたいと思います。
※教科書をよく読んで出席してください。


老年心理学 吉川 悠貴

 3日間で11コマの講義を行い,12コマめが試験となります。
 講義では,「加齢」とはどのようなことなのかについて最初に学び,加齢に伴う身体機能の変化について基本的な点を学習します。それ以後は,感覚?知覚?記憶の変化などの精神機能が加齢の影響をどのように受けるのかについて考え,また知能の変化に関する研究法の理解や,高齢期に見られる認知症,高齢期と死の問題などを系統的に学習します。
 スクーリング最終日の最後の1コマを使って,スクーリングで学習したすべての課題の中から各自が1課題を選択して試験を行います。

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