【学習サポート】
[福祉法学?社会福祉法制演習] スクーリングを終えて
志田 民吉
この夏,大学院と学部のスクーリングを一つずつ体験した。来年度に向けて貴重な授業経験となった。とにかく3日間の集中講義で,延べ時間で大学院が23時間,学部が18時間の講義時間であった。
大学院は,テーブルを囲んでのゼミ方式の授業であり,対話を重ねながらの23時間は,私にとって楽しい経験であった。社会福祉の現場で発生している諸課題について,討議をしながら回答を与えていく作業は,むしろ快感である。
学部の講義は,一言で言えば,辛い3日間であった。立ったままの講義であり,一方通行の授業形式,足は腫れ上がり,声はかすれ,夜には,肢体の痛みのために寝付けず,寝不足の日々であった。遠方より,旅費を使い,時間を使い,さらには堅い椅子に十何時間も拘束された状態では学ぶ意欲があってもさぞかし大変なことであろうと推測し,教員も頑張らなければと考えながら,寝不足の頭を奮い立たせながらの3日間であった。学部講義では,受講生の中には各種の研修体験を持っておられる方も多く,テキストではなく,1時間ごとのレジュメを配付するなどの配慮があれば良かったとも反省した。限られた時間の講義でテキスト1冊分を終える事は,かなり厳しい。
大学の講義は,テキストに書いてある文字?内容を改めて拾う講義ではないと,私は理解している。むしろそれぞれの行間に書いてある「考え方」,別な表現を用いれば,私なりの価値観や大きく言えば哲学を披瀝し,それを基本としてテキストの一つひとつの文字に照らし合わせる作業を,それぞれの個々人の時間を活用して行っていただき,疑念が生じれば質問?返答を繰り返しながら,テキスト内容の理解を深めていくという過程が大切ではないかと思う。諸般の限られた条件の中での可能性ではあるが,次年度につなげればと思案中である。それにしても,3日間の我慢の受講終了時の試験の意義について,効果の視点から考え込んでいる。