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[心理学研究法 I ] レポート課題(2単位め)の説明資料
[2単位め:課題4]
老年期にうまく適応するための条件を明らかにする研究を行うとしたら,どのような方法を使って,どのような内容の研究をするか総合的に考えなさい。
このレポートを書く時には,以下のような準備をしてから考えなければなりません。
上記の研究の目的は,老年期にうまく適応するための条件を明らかにするということですが,言うまでもありませんが,いろいろな文献を参考にして明らかにするということではなく,何らかの方法で,データを集めて,その結果から,適応するための条件を探るということになります(これも言うまでもありませんが,レポートで求められているのは,研究計画ですから,実際に研究を行う必要はありません)。
第一に考えなければならない点は,実際の老人を対象として,その人が,老年期にうまく適応している人か,あるいは,適応がうまくいっていない人かを見分ける必要があるということです。なぜなら,この研究のポイントは,そうやって適応している老人のグループ(適応群)と適応していない老人のグループ(不適応群)を作って,それを比較するという点にあるからです(実際に老人を集めてグループを作るという意味ではなく,データを処理する時に,例えば「適応群」の平均値と「不適応群」の平均値を比較するというようなやり方をするという意味です)。ですから,この両者をどのような方法で区別するのかということを考えなければなりません。
次に考えなければならない点は,「仮説」です。この研究は,老年期にうまく適応するための条件を明らかにするというのが目的ですから,研究を進めるためには,その条件って何だろうと考えて,「仮説」を立てる必要があります。つまり,「適応?不適応に関係する条件は?ではないか」と考えることです。いろいろな文献や予備調査などにより,条件をいくつか考えてみてください。「仮説」が成立したら,そのような条件について,どのような方法でデータを集めるか,ということを考えることになります。
以上の2点がレポートを書く前に必要な準備です。
このレポートは,研究法について学習するためのものですから,レポートの中心は,どのような計画で,どのような方法を使い,どのような分析をするかという点にあります。上記のとおり,集めるデータは2種類ですから,それぞれのデータをどのような方法で集めるかを決定しなければなりません。学習した方法は,観察法,面接法,質的分析,質問紙法の4つですから,これらの方法(あるいはその組み合わせ)で考えてみてください。使用する方法が決まったら,「課題1」の部分で説明してある具体的内容(p.252?253)にしたがって,具体的な方法を考えてみてください。なお,質問紙法を使用する場合は,既製の質問紙(何かの研究においてすでに使用されている質問紙)を使ってもかまいませんが,その場合は,どういう研究で使用されたものかを明記してください。
以上で解説を終わりますが,『レポート課題集2003』の解説と合わせて読んで,よく理解してから取り組んでください。