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VOL.15 DECEMBER 2003

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[現代社会を見る眼] スクーリングを開講して

講師
生田目 学文

 通信教育部開設以来,私が担当させていただいている「現代社会を見る眼」では,これまで3回のスクーリングが実施されました。のべ241名の受講生の方が参加されています。現時点で632名の登録がありますので,全体の38%の方がスクーリングに参加したことになります。
 スクーリングでの受講生のみなさんは,授業態度?グループ演習での活発な議論?発表と,どれをとってもすばらしい熱気あふれるクラスばかりです。通信教育での学位や資格取得をめざす受講生のみなさんは異なる年齢層?職業?性別?そして生活の場とさまざまな環境?背景をお持ちの方たちで,みなさんがお互いの経験や知識からも学ぶことのできるこの機会は通信教育のスクーリングならではでしょう。スクーリングはそれぞれが経験の中で培ってきた知識の宝庫だと私は思っています。したがって「現代社会を見る眼」のスクーリングはグループ演習を中心にみなさんの知識を共有し,お互いから学ぶことを最重視しています。講義はそのための道案内となるよう心掛けています。みなさんの中には福祉関係施設や医療の現場で働く方々が多く,専門が国際関係である私自身にとってもたいへん大きな学びの場なのです。
 この「現代社会を見る眼」の履修は「R or SR」ですのでスクーリングなしで単位を取得することはもちろん可能ですが,この科目の主旨からして,これまでのスクーリングに参加していない受講者の方々には次回以降ぜひとも参加していただきたいと思っています。これから教育のIT化もますます進み,eラーニングと言われる遠隔教育システムが今後発展していくでしょう。一度もキャンパスを見ることなく卒業生となる時代もそう遠くないかもしれません。その便利さもひとつのあり方なのかもしれませんが,少々寂しい気もします。
 さて,仕事や家事にお忙しい受講生のみなさんにとってふだんの学習は時間の合間を縫っての自主的なもので,孤独な戦いが続きます。昨年の『With』10月号(Vol.04)でも述べましたが,ここでレポートの現実について触れておきたいと思います。通信教育部の統計によると,全受講生632名のうちこれまでひとつでもレポートを提出した方は110名,全体の17%です。この比率は昨年同時期の5%をはるかにしのぐものですが,数字としてはまだまだではないかと思います。
 これまで提出されたレポート数は218通。4つの課題を2回に分けて提出するわけですが,受講生のみなさんは2回ともすでに提出したか,まったく提出したことがないかに二分され,ひとつだけ提出しているという方はごくわずかのようです。通信という自主性を強く求められる条件での学習ですので,なかなか取り組みが進まないのは致し方ないのかもしれませんが,とにかくレポートを出さなくては単位が取れません。学位や資格を得るのも遅れるばかりです。これは私見であることを明記しなくてはなりませんが,ある一定の基準においてよほどの欠陥がなければ再提出を求めるあるいは不合格にする,ということはありません。みなさんが強い意志と意欲を持って取り組まれることをお勧めします。
 ここで,昨年の繰り返しになりますが,私なりのヒントをお伝えしたいと思います。「評価?指導票」の評点もさることながら,レポートの採点者として私が重視するのは以下の3点です。

(1) 設問に答えているか。(書いていくうちに話がそれないこと。)
(2) 筋が通っているか。(一貫した論理?話の最初と最後が矛盾しないこと。)
(3) 結論?主張がしっかりしているか。(自分の持っている考えを伝えること。)

 そんなことはできて当然のことと思われるかもしれませんが,できていないことが意外に多いのです。レポートとは小論文です。字数制限もあることなので,書き始める前に以上の点を踏まえながらレポートの構成,アウトラインをまず作成し,たとえば序論?本論?結論という流れをまず作ることが必要です。『自立学習の手引き:読む?書く?問う』の特に64ページから103ページを再読されることを強くお勧めします(ただし,そのすべてについて完璧にしようなどとは思わないでください。あくまで参考です)。そして最後に必ず見直しをして誤字や脱字をなくしましょう。
 さあ,みなさん,いっしょにがんばっていきましょう!

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