VOL.16 JANUARY 2004 【学習サポート】 【現場から現場へ】 【2月科目修了試験のご案内】 【進級手続きのご案内】 【通信制大学院コーナー】 【お知らせ】
【BOOK GUIDE】 |
【学習サポート】[臨床心理学] レポートへの取り組みについて助教授 ●面白さとの出会い昨年大ヒットした新書に養老孟司氏の『バカの壁』がありました。私は立ち読みですませてしまいましたが,これは,著者のネームバリューと本のタイトルとの絶妙な組み合わせによるヒットでしょう。「買ってみよう」と思った人たちの多くは,おそらく「バカ」というのは自分以外の誰か(あるいは何か)のことをイメージしながら買ったのではないかと推測しています。「自分はバカだからその正体を功名な養老先生が教えてくれるかもしれない」と思って買った人は,少数派ではないでしょうか。買い求めた人たちに尋ねてみたいところです。 ●とりあえず本を読もう 居酒屋へ行くと,「とりあえず,ビール!」という方も多いと思います。ビールは大人の味の代表のひとつですが,大学での学びでは「とりあえず,関連テーマの文献!」とでも言えるかもしれません。借りた本に書き込みをするわけには行きませんが,付箋紙を張り付け,要点をノートやカードに書き写し,あるいは,一部分コピーをとる,関連文献の一覧表を作るなどなど,こうした作業が必要となります。しかし,この手間暇を惜しんでは学ぶ面白さと出合うことはできません。 ●脳の話より面白い虫の話? 後日『バカの壁』をテーマにしたテレビのドキュメントを見ました。そのときはそのときで「ほほう」と感心して見ていたはずですが,私は元々虫好きの養老氏に関心があったので,虫取りに興じる「孟司少年」の姿が一番強く印象に残りました。ちなみに養老氏の著作よりも,彼を含めた虫好き三人の座談会を本にした『三人寄れば虫の知恵』(洋泉社,1996)が,あまり売れていた様子はありませんが,非常に面白かったです。 ●先入観という「バカの壁」 レポート課題に取り組まないのは,そこにある意味「バカの壁」があるからかもしれません。「課題が難しい」「興味のない課題だ」「関連図書が手に入らない」「時間が作れない」などなどを理由にレポートが遅々として進まなかったり,あるいはテキストまるごと書き写し作戦を遂行したり。 |