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VOL.20 JUNE 2004

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スクーリング講義概要


1年生以上配当科目

心理学概論
佐藤 俊昭

 心理学の講義は一つひとつのトピックは理解できても,それらが人の心を理解するという究極の目的にどのように関連づけられるのか,わかりにくいという傾向があります。そこで,スクーリングでは2つの目標を掲げます。
 第1に,テキストをよく理解するためのお手伝いをします。まず,各章が何をわかってもらいたいと思って書かれているのかを要約して説明します。その上で,細かい基礎知識を整理します。そのときは,わかりにくかった点を,どんな些細なことでも結構ですから,遠慮なく質問してください。このような手続きを,テキストの章立てにしたがって順に進めます。どこまで進むことができるかは,いまは約束できません。
 第2に,人のこころとは何か,こころの世界とは何か,なぜこころができたのか,それを心理学的に理解するとはどういうことかを折に触れて具体的に説明します。こころを理解しようとする学問は心理学だけではありません。文学も哲学もこころを理解しようとしています。では,心理学の特徴はどこにあるのでしょうか。スクーリングで一緒に考えましょう。
 2003年度以降の教科書(『図説 現代心理学入門(改訂版)』)で講義を進めます。


スポーツ(バーンゴルフ)
小野寺 浩三

 バーンゴルフは,ゴルフのパターによる18ホールのストロークプレーです。見た目はやさしいが,高度なテクニックや頭脳プレー,集中力が求められます。
 障害者や高齢者にはリハビリの効果があり,子どもから大人まで年齢,性別,身体的ハンディにかかわらず,誰もが参加できるバリアフリーのニュースポーツです。
 本スクーリングにおいて,歴史,意義を論じ,ルールとマナー,コースの攻略法を身につけるとともに基礎体力,基礎技術の向上を図ります。また,楽しみ,喜びを共有しながら,リハビリスポーツ,生涯スポーツとして取り入れ体験学習をします。
 運動のできる服装,くつを持参してください。


福祉社会学
外崎 紅馬

 少子高齢化が進行する現代の社会状況において,私たちの暮らしも以前と比べその生活様式や生活意識など,変化してきています。生活の基本となる家族形態は言うまでもなく,個人の生活スタイルや多様な価値観など,人によって「豊かさ」の意味も違ってきているといえます。
 そこで,スクーリングでは,現代社会の生活問題や社会問題,少子高齢社会における福祉的課題等の観点から,「豊かさ」についてのアプローチを行います。


教育原理
寺下 明

 今日,子どもをめぐって,これまでの常識でははかりしれない現象や事件が頻発しています。実際,身近にも,いじめ,不登校,学級崩壊,暴力,対人関係の希薄化などの事例にはこと欠きません。しかも,そうした問題状況は,わたしたちの想像を超えて深刻化しているように思われます。
 こうした教育問題を解決するためにわたしたちは,行政や制度や方法を検討するに先立って,まず,教育あるいは人間形成とは何か,ということについて改めて問い直さなければなりません。なぜ,人間にとって教育が必要なのか,人間にとって教育とはいったい何か,という問いに答えなければなりません。古くて新しい問いかけです。その問いに対する何らかの解答は,教育の実践を根本において強く支えてくれるはずです。
 本講義のねらいは,今日の教育の現状を踏まえ,教育事象の根底を貫く本質的なもの,原理?原則的なものを把握し解明することにあります。
 (1)教育の意義
 (2)子どもの成長と発達
 (3)子どもと家庭?学校をめぐる関係の日本的特質
 (4)日本の近代化と教育
 (5)現代社会と教育


心理学実験I
小松 紘?皆川 州正?佐藤 俊人?大関 信隆

 心理学実験Iでは,下記の4つの実験を体験する。受講生は4グループに分かれ,毎日1グループ1種目ずつ,(1)実験についてのオリエンテーション (2)実験を行う (3)データの整理?分析 (4)実験レポート作成 という一連の作業を行う。翌日は,別の種目を経験し,4回ローテーションして全種目を終わる。
 実験1 「長期記憶の検索」(佐藤俊人)
 実験2 「表情の認知と背景効果」(小松 紘)
 実験3 「ミューラー?リヤーの錯視」(皆川州正)
 実験4 「刺激の弁別閾」(大関信隆)
 4つの実験レポートはできる限りスクーリング期間内に提出してほしいが,やむをえない場合は8月31日必着で郵送でもかまわない。
 また,実験レポートとは別に「単位認定レポート」(2,000字程度)を12月24日必着で提出する必要がある(レポート課題集参照)。
 筆記用具以外に,定規(グラフを書くのに使用)?電卓を持参してください。電卓は携帯電話についているものは望ましくありません。


ボランティア論
小野 芳秀

 少子高齢化が年々進行していくなか,福祉施策における公的サービスには,財政や人員等において限界があります。福祉サービスがより充実するためには,住民同士の助け合い等,地域全体でサービスを必要としている人々を支える仕組みが不可欠です。今まさに地域におけるボランティア活動は,福祉サービスを担う一つのシステムとして機能することが期待されています。
 本講義では,ボランティアに関する理論や実践的な方法論について解説し,ボランティアが実際の活動を通して直面する課題について,当事者と推進?支援者の視点から論議します。
 地域コミュニティの構築と福祉サービスの創造にたいし,ボランティア活動が果たす役割とその可能性について共に考えましょう。


高齢者福祉論
田中 治和

 下記の内容について講義する予定。
 (1)高齢者問題の背景(高齢者人口の動向?家庭環境の変化)を中心としながら,高齢者福祉の成立要因を多角的に考えてみる。
 (2)高齢者の経済状況,および余暇活動等の実施の把握をする。
 (3)要介護高齢者(痴呆性高齢者?寝たきり高齢者等)の概念整理をする。
 (4)高齢者福祉対策の基本方向を学習する。


児童福祉論
千葉 喜久也

 豊かな社会といわれる中で,悲惨な子ども虐待が増加し,少年犯罪の凶悪化やいじめの陰湿化,不登校児の増加等,子どもの問題は深刻化している。これらの子どもの問題は現代社会が生んだ病理現象の一つである。都市化,核家族化された現代社会の歪みが最も弱い子どもに向けられたものである。
 本講座では,こうした子どもを取り巻く社会現象の背景に迫りながら,児童福祉の制度やしくみについて学習する。そして児童福祉の新たな理念である「子ども家庭福祉」の潮流について理解を深める。なお,講義では実態の理解を図りながら,受講生が興味と関心をもって楽しく聴講できるようビデオなどを活用した授業を行う。また講義が一方的にならないよう受講生の感想や意見を吸い上げながら行う。


文学入門
花井 滋春

 テキスト(花井滋春著『文学入門』),およびレポートの課題内容に即して講義します。最初に,伊勢物語の概説および主人公?在原業平の生涯((1)),続いて惟喬親王,二条后藤原高子の生涯((2)(4))を扱い,次に伊勢物語の作者について((3))講義します。(5)は,研究レポートを書くためのサンプル的な講義です。
 (1)在原業平と伊勢物語の関係
 (2)惟喬親王と伊勢物語
 (3)源順?融と伊勢物語
 (4)二条后と伊勢物語
 (5)枕草子の階級意識

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